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意外と身近な音楽?はじめてジャズを聴いてみたいあなたへ

意外と身近な音楽?はじめてジャズを聴いてみたいあなたへ

様々な音楽の中でも、ちょっとハードルが高そうなイメージのある、ジャズ。でも、実はいろいろなシーンで使われている身近な音楽で、生演奏も気軽に聴きに行くことができるのです。ちゃんと聴いてみたいけれど、何から手をつけたら良いのかわからないというジャズ初心者さんへ、ジャズの基礎とおすすめの始め方を教えます。

みかんサンド

この記事のアドバイザー

みかんサンド

海外在住ブロガー


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目次

1. ジャズとは?

はじめに、ジャズの基礎知識を少し学びましょう。どんな音楽でどのように発展してきたのかを知ると、音楽をより楽しむことができます。

ジャズバンド

アメリカ生まれの黒人音楽

ジャズは、1900年頃、アメリカのルイジアナ州の港町・ニューオリンズで誕生しました。ここは欧州から移住してきた人々や、欧州系白人と黒人の混血(クレオール)、奴隷として連行されたアフリカ人など多種多様な人種が集まった土地で、文化の融合が発生し、新しい文化が多く生まれた土地でもあります。

南北戦争が終わり、廃品として出回った軍隊の楽器を手にした黒人の若者たちが、自分たちの音楽を演奏したのがジャズの始まりとされています。労働歌、ブルースなどに加えて賛美歌や軍隊音楽などの要素が融合したこの新しい音楽は、その後シカゴやカンザスシティへと中心地を移しながら、進化を遂げていきました。

ニューオリンズから生まれた代表的なアーティストとしては、「サッチモ」と呼ばれるトランペット奏者・ルイ・アームストロングが有名です。

出典: pixabay

ルイ・アームストロング

オフビート、スウィング、アドリブ

ジャズには独特の奏法やリズムがあります。その一部をここでご紹介しましょう。

まず、オフビートです。4拍子の曲には1小節に4分音符が4つ入るのが基本で、「イチ ニイ サン シイ」と1拍目と3拍目にアクセントをおくのが日本やヨーロッパの音楽です。一方でジャズは「イチ ニイ サン シイ」と2拍目と4拍目にアクセントが来ます。これをオフビートやアフタービートと呼び、ゴスペルなどの黒人音楽はこのビートが大きな特長です。

次に、スウィングです。これもジャズ独特のリズムの取り方で、ジャズの「ノリ」を表すときに「スウィングしている」などと言うことがあります。具体的には、8分音符が2つ重なったらそれを3連符に置き換え、前2つをくっつけて3つ目にアクセントを置く、という理屈ですが、言葉だけではちょっとわかりにくいですよね。

次のサイトからリズムの聞き分けができるので、ぜひ比べてみてください。

スウィングは理屈と言うよりも「ノリ」ですので、最初はあまりよくわからないかもしれませんが、たくさんの曲を聴いているうちにだんだん「スウィング感」がつかめてきます。

最後に、アドリブです。ジャズの聴きどころはアドリブにあると言っても過言ではありません。ジャズ演奏の基本は、「テーマ」→「アドリブ」→「テーマ」という構成です。アドリブパートとは、テーマと同じテンポとコード進行であり、クラシックで言うところの変奏曲にあたります。「アドリブ=即興演奏」とは言え、その場の思いつきで適当に演奏しているわけではなく、コード進行という枠組みの中で自分だけの演奏をし、個性を表現するのです。

ピアノ演奏

ジャズの名曲

「ジャズ」と言われても、どんな音楽なのか、あまりピンとこない人も多いかもしれません。ここでいくつか、名曲・定番と言われているナンバーをご紹介します。

Bill Evans - Waltz for Debby

モダンジャズを代表するピアニスト。数々のミュージシャンに影響を与えた天才で、この曲が収録されたアルバムは定番中の定番です。

Duke Ellington, "Take the A Train"

ジャズ界屈指のビッグバンドによる定番曲です。デューク・エリントンはピアニスト兼作曲家で、他にも多くの名曲を生み出しました。

Autumn Leaves

定番中の定番。アドリブで個性を出しやすい曲だと言われています。サックス奏者キャノンボール・アデレイと、巨匠と言われるトランペッター・マイルス・デイビスによる名盤は必聴です。

Keith Jarrett Trio - When You Wish Upon a Star

映画「ピノキオ」の主題歌。アニメーションの曲のイメージが強いかもしれませんが、実はジャズの定番曲で、名曲としても名高い曲です。

2. ジャズを聴いてみよう

まずは手当たり次第

ジャズを聴いてみたいけど、何から聴いたら良いのかわからない、という人は多いかもしれません。でも、自分のお気に入りや好きなテイストなどを見つけるには、まずは「とにかくたくさん何でも聴くこと」をおすすめします。

「ジャズ」と言っても、トリオやカルテットからビッグバンド、トランペットやサックス、ボーカルなどと分類の仕方も様々なので、まずは手当たり次第聴いてみましょう。今は、YouTubeやSpotifyなど、無料で何でも聴ける時代。「ジャズスタンダート」「ジャズ 定番」などで検索をして、順に聴いてみましょう。

たくさん聴くと、「こういうノリの曲が好き」「○○の楽器の音色が好き」「このアーティストが好き」などと、自分の好みが見えてくるはずです。

ジャズバンド / サクソフォン、トランペット

ジャンルで選ぶ

ジャズのスタイルは、時代別に大きく4つに分けることができます。1900年~1920年代前半がジャズの草創期。この時期のジャズは「ニューオリンズ・ジャズ」と呼ばれ、前述した、サッチモが代表選手です。

1940年代前半頃までは「スウィングジャズ」の時代。陽気で、自然と身体が踊り出してしまうような明るさと、聴きやすさが特長です。グレン・ミラーやベニー・グッドマンなどのビッグバンドもこの時代です。

1940年代後半からはジャズの黄金期、「モダンジャズ」の時代。アドリブ演奏を中心とした「ビ・バップ」。チャーリー・パーカーやディジー・ガレスピーなどがその中心で、その後「帝王」マイルス・デイビスがビ・バップよりも感情を抑えた「クールジャズ」、さらに、ビ・バップをよりわかりやすく発展させた「ハード・バップ」を生み出し、後にはコード進行にとらわれない「モードジャズ」へと発展します。

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ハードなバップナンバーからバラードまでパーカーのすべてがここに!チャーリー・パーカーは、1940年代初頭から、モダン・ジャズの原型となるいわゆるビバップ・スタイルの創成に、ディジー・ガレスピーと共に携わりました。これにより「モダン・ジャズ(ビ・バップ)の父」とも言われています。純粋にパーカーの曲を楽しみたいというジャズ入門者やビバップ入門者向けにパーカーのベスト・パフォーマンスをセレクト。

1960年以降は、ジャズのスタイルが多様化した「現代ジャズ」の時代。ジョン・コルトレーンなどによる自由自在に演奏する「フリージャズ」、ハービー・ハンコックやチック・コリアなどによる、電子楽器や8ビートなどロックの要素を取り入れた「ジャズフュージョン」が台頭してきます。1980年代以降になると、クラシックやポップスなど様々な音楽との融合が見られるようになります。

このように、ノリや演奏スタイル、印象などは時代やそのスタイルによって様々。自分の好きなジャンルを見つけて、その時代の曲やミュージシャンのナンバーに特化してひたすら聴くのは、1つの楽しみ方です。

楽器・演奏スタイルで選ぶ

定番を聴いていくと、ピアノトリオが好き、テナーサックスの音色が良い、音の厚みを感じられるビッグバンドが好み、など自分の嗜好がわかってきます。ピアノが好きなら、いろいろなピアニストの演奏を聴いたり、ビッグバンドだけひたすら聴いてみたりというのも、楽しみ方の1つです。特に定番曲は、様々なミュージシャンが様々なスタイルで演奏しています。1つの曲を、いろいろな演奏スタイルで聴き比べてみるのもおもしろいでしょう。

コンサート / サクソフォーン

3. 生演奏を聴きに行こう

音楽は、やはり生が1番。ジャズを聴くことになれてきたら、ぜひ生演奏を聴きに行ってみましょう。

ジャズバーやライブハウスで、気軽に

クラシック音楽よりも堅苦しくなく、食事やお酒を楽しみながら気軽に音楽を楽しめるのが、ジャズの醍醐味の1つ。近所に生演奏が聴けるバーがないか、探してみましょう。

ライブを観るには、ドリンク代の他に、ミニマムチャージ(テーブルチャージなどとも言います)、そしてミュージックチャージと呼ばれる、いわゆるチケット代が必要です。ミュージックチャージはお店や出演者によって異なりますが、3,000円程度からが相場。

コンサートホールに行くようなフォーマルな服装で行く必要もなく、普段どおりでOKです。ただし、著名な演奏家のライブの場合は予約が必要な場合もありますので、注意しましょう。どんなアーティストがいつライブを行うのかは、バーやライブハウスに直接問い合わせるか、最近はホームページでスケジュールを公開しています。

ライブがない時間帯は、立派なスピーカーでジャズの名盤などが聴けるところが多く、日中やっているジャズ喫茶なども併せて、まずはそこから試してみるのも良いでしょう。

ジャズバーでの演奏

特別な日に、本格ジャズライブハウスへ

大切な人の誕生日やお祝い事、またお気に入りのミュージシャンの演奏を最高の環境で聴きたい、というときには、「BLUE NOTE東京」などの本格ジャズライブハウスで、優雅なひとときを味わうのもおすすめです。

当然、ミュージックチャージは高めですが、最高の音楽と食事、最高のサービスを受けることができます。指定席、自由席とあり、食事も軽食からコース料理まで幅広くあります。

また、ジャズはバーやライブハウスでだけでなく、クラシックなどのように大きなホールでコンサートを行うことも多く、また、プロからアマチュアまでの幅広い音楽を楽しめるジャズフェスティバルも各地で開催されています。地元のイベントを探してみるのも良いでしょう。

もっと身近に、ジャズを感じよう

バーやオシャレなカフェでBGMとして使われている、というイメージのあるジャズ。意外と気軽に聴きに行けて、私たちの身近に存在している音楽です。ぜひ、日常生活にジャズを聴く時間を取り入れて、新しい世界を覗いてみてくださいね。

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ヒット・コンピ“ベスト100”シリーズの王道「ジャズ100」が高音質CDで新装リリース。Discごとに6種類のスタンダードを特集。特にポップスのジャズ・カヴァーには「夢のカリフォルニア/ウェス・モンゴメリー」、クラシックのジャズ・カヴァーには「プレリュード・イン・Eマイナー/ジェリー・マリガン」という鉄板の名曲も収録! (C)RS

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