「はじめて」をわかりやすく。

ヘミングウェイを初めて読む前におすすめ作品とその生涯について

ヘミングウェイを初めて読む前におすすめ作品とその生涯について

ノーベル文学賞も受賞したアメリカ出身の作家、ヘミングウェイ。彼の残した数々の名作は日本人にも多く親しまれています。今回は、ヘミングウェイとはどんな人物か、初めて読む人におすすめの作品、そして彼が残した名言まで、様々な視点から見たヘミングウェイをご紹介します。

えりりこ63

この記事のアドバイザー

えりりこ63

元日本語教員で2児の母


CLOSE

目次

1.ヘミングウェイは世界的に有名なアメリカ文学作家

アーネスト・ミラー・ヘミングウェイは1899年生まれのアメリカ文学作家です。日本でもヘミングウェイの作品は多くの人に親しまれ、特に「老人と海」は読んだことはなくてもタイトルくらいは知っている、という人も多いでしょう。

そんなヘミングウェイは1961年、61歳でこの世を去るまで数々の作品を世に送り出し、アメリカ文学界に多大なる影響を与えました。

棚に並ぶ本

ヘミングウェイの人生は壮絶

現在のシカゴ西部に、6人兄弟の長男として生まれたヘミングウェイ。父は医師、母は元声楽家という華麗なる経歴を持った両親の元で育ったヘミングウェイですが、実はこの母という人はなぜか幼いヘミングウェイに女装をさせるという変わった嗜好の持ち主でした。

成長したヘミングウェイは高校卒業後に地方紙の記者となり、その後赤十字の一員として赴いた戦地にて瀕死の重傷を負います。戦後はカナダでフリー記者として活動し、その後向かったパリでアメリカ人作家ガートルード・スタインらと出会い、自らも小説を書き始めることになります。

その後小説家として活躍したヘミングウェイですが、私生活では4度の結婚で3人の子どもを儲けており、晩年は事故による後遺症で精神的に不安定になり、散弾銃で自殺をしました。

ノーベル文学賞を受賞した作家

ノーベル賞のメダル

1954年、今も有名な作品の1つである「老人と海」が高い評価を受け、ヘミングウェイはノーベル文学賞を受賞しました。しかし同年ヘミングウェイは2度も航空機事故に遭ってしまいます。奇跡的に生還はしたものの、重症のためノーベル文学賞の授賞式に出席することはできませんでした。

この事故をきっかけに、ヘミングウェイは徐々に肉体的、精神的に弱っていきます。そして躁鬱などのメンタル面での病気に悩まされ、ノーベル文学賞受賞から7年後の1961年、自ら命を絶つこととなったのです。

20世紀の文学界に大きな影響を与えた

戦場や航空機事故による負傷、4度の結婚など私生活でも話題に事欠かないヘミングウェイですが、その作品の素晴らしさは世界中から評価され、今もなお多くの読者に愛されています。ヘミングウェイの作品はシンプルな文体が読みやすく、また独特な世界観が魅力的。その文体や作風は、20世紀の文学界のみならず、多くの人のライフスタイルにも影響を与えたと言われています。

「アメリカ文学の名作を教えて」と言われればまず間違いなくランクインする「老人と海」をはじめ、ヘミングウェイが出版した作品は小説7冊、ノンフィクション2冊。死後も数冊の小説や短編集が発表されました。

本棚に隙間なく並ぶ本

2.初めてヘミングウェイを読むならコレ!オススメ3選

ヘミングウェイは短編から長編まで様々な作品を発表していますが、初めてヘミングウェイを読むならやはりメジャーな作品からスタートするのがベスト。ヘミングウェイの世界観にどっぷりと浸れるオススメ3作品をご紹介します。

初めてのヘミングウェイ①老人と海

ヘミングウェイを初めて読む方に最もオススメしたいのはやはりノーベル文学賞受賞のきっかけとなり、ヘミングウェイの代表作とも言える「老人と海」。不漁に悩まされる老いた漁師を主人公とした作品です。大きなカジキを釣り上げようとする老人とカジキの戦いとその後が描かれています。

「老人と海」は老人の希望や懐古、後悔や絶望といった様々な感情の描写が魅力です。短編小説なので長い時間を費やさずに読むことができますし、何度も読むことで作品の味がどんどん出てくる「さすがノーベル文学賞」と感服させられる作品となっています。

老人と海 (新潮文庫) | ヘミングウェイ,福田恆存 | Amazon

¥1,450(税込)

さあ、殺せ、どっちがどっちを殺そうとかまうこたない。来る日も来る日も一人小舟に乗り、出漁する老人――大魚を相手に雄々しく闘う漁夫の姿を通して自然の厳粛さと人間の勇気を謳う名作。

初めてのヘミングウェイ②武器よさらば

1929年に発表された「武器よさらば」は、第一次世界大戦でヘミングウェイ自身が体験した内容を元に書かれています。イタリア軍として第一次世界大戦に参加した主人公は病院である女性と出会います。遊び半分で付き合っていたものの徐々に本気の恋に落ち2人は逃げ出す、といった話です。

「武器よさらば」の1番の魅力は主人公の回想という設定で書かれていることです。主人公の目線で語られているので、情景や心情がありありと伝わり、まるで自分が主人公になったような気持ちで読むことができます。戦争を通して見えてくる主人公の思い、2人の愛の行方など読み応えたっぷりの作品です。

武器よさらば (新潮文庫) | アーネスト ヘミングウェイ, Hemingway, Ernest, 高見浩 | Amazon

¥825(税込)

恋は戦地に激しく燃え、虚しく灰燼に帰す――。畢生の名編、至巧の新訳。苛烈な第一次世界大戦の最中、イタリア軍に身を投じたアメリカ人青年フレドリックは、砲撃で重傷を負う。病院で彼と再会したのは、婚約者を失ったイギリス人看護師キャサリン。芽生えた恋は急速に熱を帯びていく。だが、戦況は悪化の一途を辿り、フレドリックは脱走。ミラノで首尾よくキャサリンを見つけ出し、新天地スイスで幸福を掴もうとするが……。

初めてのヘミングウェイ③日はまた昇る

1926年に発表された長編小説「日はまた昇る」は「老人と海」に次いでメジャーで人気の高い作品と言っても過言ではありません。ヘミングウェイの出世作とも言えるこの作品の主人公は、第一次世界大戦で下半身を負傷した男性。お互いに気持ちが通い合う女性がいたものの、彼女と肉体的に結ばれることはない主人公。作中では浮気性の彼女、旅行先で出会ったマタドール、主人公を取り巻く女性との愛憎劇が面白く、どこか美しく描かれています。

「日はまた昇る」は主人公が彼女を愛し続ける男らしさを通し、ヘミングウェイ自身の持つ愛情観に触れることのできる貴重な作品だと言えるでしょう。

日はまた昇る (新潮文庫) | アーネスト ヘミングウェイ, Hemingway, Ernest, 浩, 高見 |本 | 通販 | Amazon

¥737(税込)

世は去り世は来る地は永久に長存なり日はまた昇りまた入る――。鮮烈な新訳による21世紀決定版!灼熱の祝祭に爆発する“自堕落な世代(ロスト・ジェネレーション)"の魂。

3.詩人でもあるヘミングウェイが残した名言

ヘミングウェイは小説家というイメージが強いですが、実は詩人としても活動をしていました。彼のシンプルかつ人の心を揺さぶる文章は、詩人であるからこそ紡ぎだすことができたものなのかもしれません。そんなヘミングウェイは、名作のみならず数々の名言も残しています。

本に添えられたヒナギク

ヘミングウェイの名言①対人関係

対人関係に関するヘミングウェイの名言をご紹介します。

・誰かを信頼できるかを試すのに一番良い方法は、彼らを信頼してみることだ。
・愛していない人間と旅に出てはならない。
・友情の基礎を作るには、まず女と恋をしなければならない。​


なるほど、と素直に心に刺さる言葉もあれば「なんで?」と少し頭を悩ませるものもありますね。4度も結婚をした恋多き、愛深きヘミングウェイなので、異性と恋に落ちることの大切さや、愛のない人は一緒にいられないことなど、身をもって経験したからこそ出てくる言葉なのではないでしょうか。

風でページがめくれる本

ヘミングウェイの名言②人生

続いては人生に関する名言を見てみましょう。

・善とは何か。後味の良いことだ。悪とは何か。後味の悪いことだ。
・「これをやりにおれは生まれてきた」と思えることだけを考えていればよい。
・人生について書きたいなら、まず生きなくてはならない。
・わが人生は、ほんの一行で要約できるだろう。そう、私は生きることを十分に楽しんだと。


晩年、事故により心身ともに弱ってしまうまで、ヘミングウェイは肉体的にも精神的にも強いパワーを持っていました。活動的だった彼は、生きること、自分がやりたいと思うことに純粋に立ち向かうことの大切さを説いています。「生きることを楽しんだ」とは、「幸せ」という言葉よりも深く、他のどんな凝った表現よりもシンプルに充実した人生を表しているように感じます。

海外文学はヘミングウェイから始めよう

壮絶な人生の中で人々の心を揺さぶる名作、名言を生み出したヘミングウェイ。アメリカ文学界に激震を与えたともいえる彼の作品はどれも読み終わった後に心に残る何かがあるものばかりです。

とはいえ海外文学の名作はヘミングウェイだけではありません。ヘミングウェイをきっかけに、海外文学という新たなジャンルへ足を踏み入れてみてはいかがでしょうか?

読書をする男性

えりりこ63

この記事のアドバイザー

えりりこ63

元日本語教員で2児の母




この記事をシェアしよう

こちらの記事もおすすめ