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阿曽山大噴火さんに聞いてきた「はじめての裁判傍聴」(後編)

阿曽山大噴火さんに聞いてきた「はじめての裁判傍聴」(後編)

エンタの神様などテレビでもお馴染み裁判ウォッチャーと言えば、阿曽山大噴火さん。1週間のうちに5日は裁判所へ傍聴へ赴くという裁判傍聴のオーソリティとも言える方に、はじめて行った裁判傍聴についてやはじめて裁判傍聴に行く時の心構えなどをインタビュー取材で直撃してきました!

コダケン

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目次


芸能プロダクションである大川興業に所属の阿曽山大噴火さん。お笑い芸人として活躍している傍らで、裁判ウォッチャーとして週に5日は東京地裁に赴いて裁判を傍聴していらっしゃいます。その豊富な裁判傍聴の体験をもとにして、有名なところでは「エンタの神様」(日本テレビ)などで裁判をフリップネタにして披露しています。

そんな芸能界でも屈指の裁判ウォッチャーである阿曽山大噴火さんに”はじめての「裁判傍聴」”というテーマで、はじめて裁判傍聴する場合の心得や、はじめてご自身で傍聴した裁判についてなど、裁判傍聴に関する『はじめて』について伺ってきました。

そのインタビュー取材の後編です。

某ウイルス対策のため、阿曽山大噴火さんもマスクを装着しての取材です。

前編では、阿曽山大噴火さんがどうしてお笑い芸人への道を進むことになったかや、はじめて裁判傍聴をした裁判のお話、そして裁判傍聴をするようになったきっかけについてなどのお話をお伺いしました。後編は、はじめて裁判傍聴をする前の心構えなど裁判傍聴をはじめるにあたってのポイントなどをお話いただきました。

これから裁判傍聴をしたい人や裁判に興味がある方にとっては、必見のインタビュー取材となっています。

阿曽山大噴火さんから、はじめて裁判傍聴をする人に向けて

――裁判傍聴の“いろは”でまず押さえておきたいポイントがあれば、お聞かせいただけますでしょうか。

阿曽山大噴火さん>
何を見るか・見たいかを最初に考えていかないとですかね。民事もあれば、刑事裁判もあるし、高裁も地裁も簡裁もあるんで、どれを見たいかを考えていかないと難しいでしょう。

最初に見るなら、民事よりは刑事裁判が分かりやすいと思います。民事はおおむね本人がいないことが多く、代理人が裁判を進めるケースばかりなので、何の裁判かも分かりにくいですね。一方、刑事事件は、本人がいることと冒頭に起訴状の読み上げがあるので、事件が分かりやすいので裁判内容を理解出来ます。最初に見るなら、刑事事件の裁判ってことになります。

――はじめて裁判傍聴をする場合におススメの裁判とかありますでしょうか。

阿曽山大噴火さん>

これも良く聞かれる質問なんですが、「本人が見たい裁判を見たらどうですか?」としか言えないです。「どんな事件がいいですか?」とか「どんな裁判が面白いですか?」と、本当によく質問されるんですが、事件も様々ありますし、殺人事件でも窃盗事件でも見たい裁判を探してくださいとしか言えないです。逆に主体性がなく裁判傍聴をすることなんて出来ますかね?

よく聞かれることのもう1つが性犯罪について聞かれますが、性犯罪の罪名は、傍聴人が増えますくらいです。他に混むような罪名はあまりないです。

――それでは、阿曽山大噴火さんが裁判傍聴にあたって気を付けている事を教えてください。

阿曽山大噴火さん>

撮影禁止や飲食禁止などのルールを守ることですね。もちろん、俺じゃなくて他の人ですが、裁判を撮影してYouTubeにあげて問題になったこともありますね。今は、機械も色々あるんで、隠し撮りで撮影できると言えば出来ます。だけど、ルールを守るって意味でも、そんな事俺はしないですね。

当たり前ですけど、法廷入口の横に禁止事項があって、明文化されていることはしないようにしています。

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服装を整え、はちまきゼッケン、たすき。腕章(裁判所が交付したものを除く。)などは着用しないこと。

大きな荷物、危険物、旗、ヘルメット、ビラなどを持ち込まないこと。

許可を受けないでカメラ、録音機等を持ち込まないこと。

静かにし、発言、拍手などをしないこと。

携帯電話機、ポケットベルなどの電源を必ず切っておくこと。

新聞や本を読むなど傍聴にふさわしくない行為をしないこと。

開廷中はみだりに席を離れないこと。

その他、裁判長の命令又は裁判所職員の指示に従うこと。
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※法廷内での禁止事項

まずは、弁護人、検察官、裁判官を確認します。裁判官によっても話すのが好きな人もいれば、無口な人もいるので、なるべく話す裁判官を選ぶことが多いです。あとは、傍聴席でも事件が起こったりしますからね。寝ちゃって裁判官に怒られる傍聴人がいたり、被告人の家族が泣いていたりすることもあるので、傍聴席側も気にして見るようにしています。

あと、傍聴券が出る裁判は、とりあえず押さえるようにしています。

メモの重要性を訴える阿曽山大噴火さん

はじめて裁判傍聴をする前に押さえておきたいこととは

――はじめて裁判を傍聴する前に押さえておきたいポイントなどあれば、教えてください。

阿曽山大噴火さん>
開廷表は必ず見るようにしています。当たり前ですけど。2年前から東京地裁は、紙の開廷表からタブレットになったんですが、その日行われる裁判の時間と法廷と被告人と罪名と書記官と裁判官と審議の内容を見ることができます。その日に出てきた被告人の名前は全部検索するようにしています。

それは、俺だけじゃなくてライターさんとかウォッチャーと言われる人たちは、皆さん検索しています。芸能人がいるとか前科があるとかは被告人の名前を検索して、傍聴する裁判のあたりを付ける感じです。


――最初に傍聴すべき裁判とはどんなもの(初心者向けの裁判など)がありますでしょうか。

阿曽山大噴火さん>
先ほども同様の事をお話しましたが、初心者向けの裁判を挙げることは難しいですね。やっぱり何が見たいかが大事になるので、被告人の事が見たいのか、事件(罪名)についての裁判を傍聴したいのかで全然違ってきます。

ただ、裁判を見たいのであれば、家裁でも地裁でも傍聴できる裁判は沢山あるので、飛び込んでみれば、いわゆる裁判って感じは、分かると思います。出入りも自由なので、あんまり気にせず、見てみるのがいいと思います。


――裁判傍聴にはじめて行く場合にこれだけは準備した方がいいものがあれば、教えてください。

阿曽山大噴火さん>
メモはOKなので、どんな裁判でもメモは取るようにしてます。ながい裁判だと10時~17時まであるので、最初に話したことをメモしていたことが裁判の後半で出てきたりするので、メモは取るようにしてます。

レペタ裁判※でメモを取ることは許可されたので、ペンとノートでメモすることはいいんですが、電子機器はまだ使えないですからね。文具メーカーと裁判所で癒着でもあるんですかね(笑)

休廷中にタブレット端末出しただけで、怒られたこともありますね。読書禁止って書いてあるのに、読書している人は怒られずに、俺だけ休廷中にも拘わらず怒られました。それは抗議しましたが、どうして電子機器がダメなのかは未だにわかっていません。

※レペタ裁判
1989年に行われた裁判。法廷メモ訴訟(ほうていメモそしょう)とも呼ばれ、事前に法廷でメモを取っていいか日本の裁判所に許可を求めたが、不許可となったため、知る権利(憲法21条)の侵害を主張して国家賠償法に基づく損害賠償を求めた裁判のこと。

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阿曽山大噴火さんにとっての裁判傍聴とこれからについて

――裁判を身近に感じるようにされた立役者とも言えると思いますが、裁判所との関係性はどうなんでしょうか。

阿曽山大噴火さん>
裁判所側にはあまり好かれてないと思いますね。所持品検査でもひと悶着、ふた悶着ありましたね。工事バイトの仕事が終わった後にそのままの服装で安全靴のまま裁判所に入ったら怒られました。あとは、荷物札についても非効率だとクレームしたこともあります。あと、俺一人だけのせいではないと思いますけど、裁判の開廷表も公開しなくなったことも、裁判ウォッチャーが増えた影響があるかも知れません。

そう言えば、裁判員裁判が始まった時に作られたポスターがあって、それをトークライブの時に張りたいと裁判所の広報にお願いしたら、却下されたりしていますね。

裁判員裁判が始まった時のイメージキャラクターも俺じゃなくて、「ザ・たっち」でしたからね(笑)他の芸人さんとか、割と裁判所のキャンペーンなどに起用されてたりしますね。俺は全然起用されません(笑)


――裁判傍聴を通して、伝えていきたい事などあったりするんでしょうか。

阿曽山大噴火さん>
特にはないんですけど、裁判についてを文章に書くとか話す機会が多いので、事件についてをきちんと伝えていきたいとは常々思っています。
すごい大きいこと言えば、人間って面白いよねってところなんですけど、自分のタイプとしては細々した例を挙げるタイプでやってきているので、こんな変な事ありましたよ~とかこんなやり取りやってましたよって事だけなんですよね。注意喚起と言った気持ちはありませんけど、そう取ってもらう人がいてもいいかなって感じです。

書籍にサインをいただきました。

――阿曽山大噴火様にとっての「裁判傍聴」とは、どんなものなんでしょうか。

阿曽山大噴火さん>
数ある仕事のうちの1つってのが、正確な感じでしょうかね。特に裁判傍聴に拘ってるつもりもなくて、他にも新興宗教とか面白い事件の取材とかのひとつですね。仕事があるうちは続けますけど、需要がなくなれば行かなくなるんじゃないでしょうか。

やっぱり、ネタのひとつでしかないですね。毎週連載やラジオなどがあるので、行かないと仕事にならないですからね。裁判傍聴をやめて、新興宗教に取材してくれって言われれば、新興宗教に通ったりすると思いますよ。

仕事無くなったら裁判傍聴に行かなくなるかってのもよく聞かれますけど、月に1回くらい行くかなと思ってますね。それもどこかで使う話のネタにしようといったスケベ心がありますけど。


――裁判傍聴以外にハマっている事などあれば、教えてください。

阿曽山大噴火さん>
他に、ハマっている事は「ボードゲーム」ですね。本当はボードゲームのお店でアルバイトしたかったんですけど、面接に4社くらい落ちちゃって。今は、ボードゲームのwebサイトで連載持たせてもらってます。


――最後になりますが、はじめて裁判傍聴をする読者に向けて一言をお願いします。

阿曽山大噴火さん>

やっぱり、メモ取りながら見た方が分かりやすくないっすかって事ですよ。傍聴した裁判の全部を記憶できる人がいるなら、メモしなくても良いと思いますが、どうせ傍聴するならメモは必ず取ってほしいですね。

裁判所側への要望は、傍聴した内容をきちんと伝えたいので、録音とかができるようになるといいですね。被告人とか状況をなるべく正確に伝えたいとは心がけているので、メモだけだとどうしても正確性に欠ける部分が出てきてしまうので、録音できると正確に伝えられるので、法廷でも録音したいですね。

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報道された事件は、その後どうなったのか?ドラマは裁判にある。東にアヤシい法廷あれば行って傾聴し、西に濃いキャラの被告人いれば行ってスケッチし、みんなに暇人と呼ばれ、褒められもせず、いつも静かにメモしている。そういう日本一の傍聴マニアがおくる驚異の事件簿。監禁王子、ニセ有栖川宮事件ほか、全三十五編。

ーーインタビュー取材はここまでーーーーー

お笑い芸人で裁判ウォッチャーの阿曽山大噴火さんにはじめて裁判傍聴についてをお話いただきました。

裁判傍聴は、事件そのものを面白がって傍聴するのではなく、被告人や裁判官を含めた裁判に関わる人間に興味を持ったうえでの人間ウォッチングなのではないかと思わせて頂いたインタビュー取材でした。

はじめてでも傍聴券が出ない裁判は、出入り自由となっていますので、興味を持たれた方は社会見学のひとつとして、裁判傍聴をしてみるのは、いかがでしょうか。

阿曽山大噴火さん プロフィール

阿曽山大噴火

月曜日から金曜日の9時~5時で、裁判所に定期券で通う、裁判傍聴のプロ。裁判ウォッチャーとして、テレビ、ラジオのレギュラーや、雑誌、ウェブサイトでの連載を持つ。パチスロもすでにプロの域に達している。また、ファッションにも独自のポリシーを持ち、“男のスカート”にこだわっている。

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本名:阿曽道昭
生年月日:1974年9月27日
血液型:B型
出身地:山形県
身長・体重:172cm・60kg
スリーサイズ:B 84cm・W 64cm・H 90cm
靴のサイズ:27cm
最終学歴:千代田工科芸術専門学校 卒業
趣味:パチスロ、裁判傍聴、新興宗教一般
チャームポイント:髭、スカート
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コダケン

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