「はじめて」をわかりやすく。

【はじめてのスティーブンキング映画】初心者にオススメする、感動できるスティーブン・キング原作映画3本!

【はじめてのスティーブンキング映画】初心者にオススメする、感動できるスティーブン・キング原作映画3本!

『スタンド・バイ・ミー』や『シャイニング』などホラーからヒューマンドラマまで、世代を超えて新たなファンを獲得ているスティーブン・キング原作の映画から、はじめて見るならオススメの映画3作品を紹介します。

滝口アキラ

この記事のアドバイザー

滝口アキラ

映画ライターにして、映画コミカライズ&ブルース・リー研究家。


CLOSE

目次


昨年公開された『IT/イット THE END”それ”が見えたら、終わり』や『ドクター・スリープ』、更には1月17日から公開される『ペット・セメタリー』など、近年スティーブン・キング原作映画の続編やリメイク作品が、次々に公開されています。

世代を超えて新たなファンを獲得ているスティーブン・キング作品ですが、あまりに多くの作品が映像化されていて、どれから見ればいいのか分からなかったり、ホラーや怖い映画が苦手だけど観てみたい、そんな方も多いようです。

そこで今回は、キング初心者の方やホラー映画が苦手な方にこそ観て頂きたい、感動できるスティーブン・キング原作映画3本を、ご紹介したいと思います。

1.『IT/イット』のルーツとも言える名作『スタンド・バイ・ミー』

まず1本目は、キングの短編集『恐怖の四季』に収録された『The Body』を映画化した『スタンド・バイ・ミー』です。

死体探しの旅を通して成長していく4人の少年たちを描く本作は、世代を超えて観客の心に残る青春映画の名作として、今も根強い人気を誇っています。

スタンド・バイ・ミー コレクターズエディション

¥1,000(税込)

1959年オレゴンの小さな町。文学少年ゴーディをはじめとする12才の仲良し4人組は、行方不明になった少年が列車に轢かれて野ざらしになっているという情報を手にする。死体を発見すれば一躍ヒーローになれる!4人は不安と興奮を胸に未知への旅に出る。たった2日間のこの冒険が、少年たちの心に忘れえぬ思い出を残した・・・・・・。

[ストーリー]

弁護士のクリスの死亡記事を読んだ小説家のゴードンは、12歳の時に仲間達と体験したある冒険を思い出す。クリス(リバー・フェニックス)とゴードン(ウィル・ウィートン)は幼馴染みで、同じく友人のテディ(コリー・フェルドマン)、バーン(ジェリー・オコンネル)と共に「死体を探す旅」に出たことがあった。旅の途中で出会う様々な困難や冒険を通じて、4人はお互いの内面をより深く知ることになるのだが・・・。

[作品解説と見どころ]

輝いていた少年の日々と現実の"死"。この絶妙な組み合わせが描き出す世界観も魅力ですが、何と言っても本作の見どころは、少年時代のクリスを演じたリバー・フェニックスや、不良たちのボス役で強烈な個性を見せるキーファー・サザーランドなど、後の名優たちの若き日の姿が見られる点でしょう。

その他にも、4人の中では一番大人で頼りになるクリスの弱さや悩みを知ったゴードンが、逆にクリスを励まして進学の道を薦める展開など、誰もが子供の頃に経験した悩みや友情が描かれる点も、多くの観客の共感を呼ぶ理由となっています。

特に、テディの「子供時代は二度と来ない」というセリフは、誰の心にも響く本作の重要なテーマであり、キング作品に共通の要素となっているのです。

88分という短い上映時間も、週末の鑑賞には最適なこの『スタンドバイ・ミー』。

エンドクレジットに流れる主題歌とラストの感動を、ぜひ味わって頂ければと思います。

2.不屈の精神と友情を描く、『ショーシャンクの空に』

1982年に発表されたスティーブン・キングの中篇小説、『刑務所のリタ・ヘイワース』を映画化した作品が、この『ショーシャンクの空に』です。

本作で長編映画監督デビューを果たし、脚本も執筆したフランク・ダラボンは、後にキング原作の映画『グリーン・マイル』や『ミスト』にも関わることになりました。

ショーシャンクの空に

¥1,000(税込)

スティーブン・キング原作、名匠フランク・ダラボンの劇場監督デビュー作にして、多くの人々の「マイ・ベスト・ムービー」のひとつに加えられた、新世代の傑作!

[ストーリー]

妻とその愛人を射殺した罪を着せられ無期懲役となり、ショーシャンク刑務所送りとなった、元銀行の副頭取アンディ(ティム・ロビンス)。初めは戸惑っていたが、先輩囚人のレッド(モーガン・フリーマン)と、奇妙な友情で結ばれることになる。やがてアンディは、その不思議な魅力と豊富な知識で、すさんだ受刑者達の心を掴み、刑務所内の待遇を改善させていく。そして20年の歳月が流れた時、彼は冤罪を晴らす重要な証拠をつかむのだが……。

[作品解説と見どころ]

アンディとレッドの長年に渡る友情や、それまでの閉塞感を一気に開放する見事なラストシーンなど、かなり原作からの変更が加えられている本作ですが、人間ドラマとして高い評価を得た結果、1994年度のアカデミー賞では作品賞を含む7部門にノミネートされました。

残念ながら『フォレスト・ガンプ』と同年の公開だったため、無冠には終わりましたが、年を経る毎にその評価は高まり、今ではキング原作映画の中でも名作として知られています。

主人公のアンディを演じるティム・ロビンスの爽やかな存在感も見ものですが、彼と親友になる先輩囚人レッド役のモーガン・フリーマンの演技は実に素晴らしく、特に仮釈放の面接での態度や受け答えが、映画の冒頭とラストでどう変化・成長するかは必見!

更に、アンディが諦めずに出し続けた手紙が起こす奇跡や、19年かけた彼の計画が明らかになるラストの驚きと感動に加え、希望を捨てずに継続して行うことの大切さや、その努力が必ず報われるという本作のテーマは、多くの観客に希望を与えてくれる素晴らしいものとなっているのです。

3.実はこれもキング原作だった!『アトランティスのこころ』

最後にご紹介するのは、恐らく一番意外性が高いと思われる『アトランティスのこころ』です。実際そのタイトルからは、キング原作と気付かない方も多いのではないでしょうか。

アトランティスのこころ 特別版

¥725(税込)

スティーブン・キング原作、アンソニー・ホプキンス主演によるヒューマンドラマ。50歳の写真家・ボビーは、幼馴染みの葬儀に出席するため故郷に帰って来る。彼はそこで、忘れ掛けていた少年時代の出来事を思い出し…。

[ストーリー]

写真家ボビー(デヴィッド・モース)のもとに届いた幼なじみの訃報。生まれ故郷に戻ったボビーはそこで、過去の出来事を思い起こす。

1960年の夏、母親とふたりで暮らすボビー(アントン・イェルチン)は、誕生日に自転車が欲しいと願っている少年。ある日、ボビーの家の二階にテッド・ブローティガン(アンソニー・ホプキンス)という老人が越してくる。自転車を買うお金を稼ぐため、ボビーはテッドに新聞を読んで聞かせるアルバイトをすることになるが、実はテッドには不思議な力があった。更に、その不思議な力のために彼は謎の男達から狙われていた。果たしてテッドの正体とは?

[作品解説と見どころ]

日本でも上下巻2冊で邦訳が出ている小説『アトランティスのこころ』が原作ですが、小説では1960年から1999年に渡る5つの短篇小説が、時系列で進行する構成なのに対して、映画版では大人になったボビーが幼なじみの訃報を知り、過去の出来事を思い返すという、『スタンド・バイ・ミー』に似た構成に変更されています。

それだけでなく、実際ボビーの親友であるサリーの外見も、『スタンド・バイ・ミー』のリバー・フェニックスによく似ているのです。

更に、自転車が重要なアイテムとして登場したり、家族の一人が亡くなっている家庭環境や町を出てから疎遠になってしまった仲間の存在など、映画『IT/イット』を思い起こさせる要素が多い点も、最近キング原作映画を知ったファンの方にオススメな理由と言えるでしょう。

ちなみに、『アトランティスのこころ』という印象的な映画のタイトルですが、これは太古の時代、海に沈んでしまったアトランティス大陸のように、子供の頃の輝きや素晴らしい時間も永遠ではなく、成長するに従ってやがて消え行く運命にあることを示唆しているのです。

こうした「子供時代の輝きは、永遠ではない」とのテーマやセリフは、キング作品中の重要な要素であり、大人になった主人公が過去を回想するという構成への変更も、観客がより主人公や作品世界に共感・感情移入できるための決断と言えるでしょう。ホラーや怖い映画が苦手な方にこそ、ぜひ観て頂きたい作品です。

最後に

モダンホラー作家として数々の名作を残しているためか、どうしても怖い内容と思われがちな、キング原作の映像化作品ですが、今回ご紹介した3本の他にも、人間ドラマに重点を置いた非ホラー作品は多数存在します。

例えば、『ショーシャンクの空に』や『ミザリー』など、キング作品の重要な要素となっている「監禁された状況からの脱出」に注目して作品を選んだり、過去に何度もリメイクされている作品を見比べてみるなど、観客の好みによって様々な楽しみ方・掘り下げ方ができるのも、世代を超えて読み継がれている理由と言えるのです。

ただ、キングの小説には長編が多く、映像化された際にはエピソードや登場人物のカット、更に大幅な設定変更が施される場合も多いので、余裕がある方は鑑賞後に原作小説を読まれると、より映画の面白さが増すと思います。

特に『スタンド・バイ・ミー』は、テディの外見や言動が後の『IT/イット』に登場するリッチーを思わせるので、『IT/イット』の世界観にハマった方なら、まずはこの作品から鑑賞するのがオススメです!

ミザリー

¥99(税込)

雪道の自動車事故で半身不随になった流行作家のポール・シェルダン。元看護師の愛読者、アニーに助けられて一安心と思いきや、彼女に監禁され、自分ひとりのために作品を書けと脅迫される―。キング自身の体験に根ざす“ファン心理の恐ろしさ”を極限まで追求した傑作。のちにロブ・ライナー監督で映画化。

滝口アキラ

この記事のアドバイザー

滝口アキラ

映画ライターにして、映画コミカライズ&ブルース・リー研究家。




この記事をシェアしよう

こちらの記事もおすすめ