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ショートショートの神様「星新一」をはじめて読む方へおすすめの作品を紹介!

ショートショートの神様「星新一」をはじめて読む方へおすすめの作品を紹介!

世代を超えて愛される、ショートショートの神様・星新一。400字詰め原稿用紙が10数枚程度という超短編の世界につめられた、不思議で不気味なストーリーに、多くの小中学生が昔から夢中になってきました。今回は、読書が苦手だという子供にも読みやすいショートショートの魅力と、おすすめの星新一の作品を紹介します。

Yamako

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Yamako

整理収納アドバイザー兼webライター 個人宅の片づけ&ライター業の二足のわらじ


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目次

1.ショートショートの神様・星新一とは

きまぐれ星からの伝言 (文芸書) | 星 新一 |本 | 通販 | Amazon

¥1,980(税込)

星新一生誕90周年記念バラエティブック!
子供から大人まで楽しめる名作ショート・ショートを1000篇以上発表し、累計出版数が5000万部を超える星新一。

星新一のプロフィール

1926年東京生まれの小説家・SF作家。父親は星製薬会社の創業者。東大大学院在籍中に、父親が急逝したため、中退し、会社を継ぎました(日本の有名作家としては、めずらしい東証一部上場企業(当時)の社長経験者)。しかし、その頃すでに経営が悪化していたため、経営は破綻。事後処理に追われ、会社を手放した後、病床で読んだレイ・ブラッドベリの「火星年代記(火星人記録)」に感銘を受け、SF作家への道を志します。

1957年に作家デビュー。400字詰め原稿用紙が10数枚程度のショート・ショートの第一人者と知られ、生涯にわたり1000編以上のショートショート作品を発表しています。小松左京、筒井康隆と並んで「日本SF御三家」と称されています。1968年、日本推理作家協会賞受賞、1998年、それまでの功績がたたえられ、日本SF大賞特別賞が贈られました。

ショートショートの神様と言われる理由

ショートショートの神様と称される星新一。その理由は主に3つあります。1つめが、膨大な作品量。生涯で1000編以上のショートショート作品を発表しています。新潮社文庫だけでも刊行部数は、約3000万部。今なお増刷され続け、さらに、海外でも中国語、スペイン語、ベンガル語など20言語以上に翻訳されています。

2つめが、アンデルセンの民話のような、長期にわたり、幅広い読者が楽しめることを追求した作風です。具体的には、「当用漢字しか用いない」「具体的な地名・人名などの固有名詞を出さない」「時事風俗は扱わない」ことにより、年齢・年代・地域・国籍・社会環境を問わず、楽しめる作品に仕上がっています。さらに、時代の変化に合わせて、わかりにくさや誤解を少しでも減らすために、星新一自ら、積極的に手直しをしています。

古さを感じさせない語り口も魅力

3つめが、作品の完成度の高さです。短い場合は、文庫本数ページということもある、字数制限の厳しいショートショートという世界。それにもかかわらず、奇抜な発想、予想外のオチ、伏線回収の鮮やかさなど、何度読み返しても飽きることのない魅力が、星新一の作品には溢れています。単に膨大な量の作品を産み出しただけではなく、その1つ1つがどれをとっても抜群におもしろいという、驚くべき偉業を成し遂げているのです。

2.おすすめ星新一作品

まずはコレ!はじめに読むべきおすすめ作品

ボッコちゃん

星新一自らが選んだ50編を収録した、「星新一入門書」とも言うべき1冊。収録作品を選ぶにあたり、「ミステリー、SF、ファンタジーなど作品のバラエティを多くすることを意識した」と、本人が述べているとおり、星新一の幅広い魅力がつまった1冊になっています。表題作の『ボッコちゃん』をはじめ、『おーい、でてこーい』『殺し屋ですのよ』『最後の地球人』など、どれも傑作ぞろい。ぜひ、この1冊からはじめましょう!

ボッコちゃん(新潮文庫) | 星 新一 | 日本の小説・文芸 | 本 | Amazon

¥693(税込)

スマートなユーモア、ユニークな着想、シャープな諷刺にあふれ、光り輝く小宇宙群! 日本SFのパイオニア星新一のショートショート集。表題作品をはじめ「おーい でてこーい」「殺し屋ですのよ」「月の光」「暑さ」「不眠症」「ねらわれた星」「冬の蝶」「鏡」「親善キッス」「マネー・エイジ」「ゆきとどいた生活」「よごれている本」など、とても楽しく、ちょっぴりスリリングな自選50編。

おのぞみの結末

初心者でも手にとりやすい、文庫本で約200ページという薄めの1冊。表題作をはじめ、11編を収録しています。特におすすめは、『一年間』『あの男この病気』『空の死神』。あともう1編…と読み進めていくうちに、あっという間に読破してしまうはず。

おのぞみの結末(新潮文庫) | 星 新一 | 日本の小説・文芸 | 本 | Amazon

¥572(税込)

家事万能のロボットを手に入れたら……。世界平和をめざす秘密組織が実権を握ったら……。安逸と平穏をのぞみながら、退屈な日々にあきたらず、精神と肉体の新たな冒険を求める人間。超現代のなかでも、あいかわらず滑稽で愛すべき、人間らしい心の動きをスマートに描く11編。新鮮な発想、奇想天外なストーリーの展開、そして意外な結末は、あたかもアイディアを凝集した玉手箱。

妄想銀行

日本推理作家協会賞を受賞した1冊。表題作の『妄想銀行』は、人間の持つ様々な妄想を取り扱う銀行の物語。妄想銀行を経営するエフ博士が、自分に好意を寄せる女性の妄想を、自分が好意を寄せる女性に植えつけようとして起こる悲劇とは…。その他、『鍵』『保証』『味ラジオ』がおすすめ。筆者が小学生の頃から大好きな1冊です。

妄想銀行(新潮文庫) | 星 新一 | 日本の小説・文芸 | 本 | Amazon

¥605(税込)

人間のさまざまな妄想を取り扱うエフ博士の妄想銀行は連日大繁盛。しかし博士が、彼に思いを寄せる女から吸いとった妄想を自分の愛する女性に利用しようとしたのが誤ちのもとだった――奇想天外なユーモアのあふれる表題作。ほかに、道で拾った風変りな鍵に合う鍵穴を探すことに情熱を傾ける男の物語『鍵』、人生修行に出て説教癖のついたロボットの話『人間的』などS・S32編。

興味で選ぶ!テーマ別おすすめ作品

ノックの音が

収録作品すべてが「ノックの音がした」からはじまる1冊。現代では、家のドアをノックするという行為はあまりなじみがありませんが、この本を読むと、インターホンとは違い、ノックという行為には、それをする人間の感情や雰囲気が反映されるものなんだなということがよくわかります。同じ一文からはじまる15編がどんな展開で、どんな結末をたどるのか、ぜひ自分自身でたしかめてみてくださいね。おすすめは『金色のピン』『人形』。ちょっとゾッとするオチが待っていますよ!

ノックの音が(新潮文庫) | 星 新一 | 日本の小説・文芸 | 本 | Amazon

¥539(税込)

ノックの音とともに、二日酔いの男の部屋にあらわれた見知らぬ美女。親しげにふるまう彼女の正体は? いったい、だれのところへ、どんな人が訪れてきたのか。その目的は。これから部屋の中で、どんなことがおこるのか……。サスペンス、スリラーからコメディーまで、「ノックの音」から始まる様々な事件。意外性あふれるアイデアと洒落たセンスで描く15のショートショート。

未来いそっぷ

イソップ物語でおなじみの『北風と太陽』『オオカミがきた』などを、星新一バージョンにして収録した1冊。イソップ物語の他に、現代が舞台の作品も含め、33編を収録しています。おすすめはイソップ物語の中の『ウサギとカメ』『アリとキリギリス』。筆者宅の小5長男も「おもしろい!」といいながら、あっという間に1冊読破してしまいました。初心者でもすぐに読めてしまう1冊です。

未来いそっぷ(新潮文庫) | 星 新一 | 日本の小説・文芸 | 本 | Amazon

¥649(税込)

〈アリとキリギリス〉〈ウサギとカメ〉など、誰でもごぞんじの寓話の世界。語りつがれてきた寓話も、星新一の手にかかると、ビックリ驚く大革命。時代が変れば話も変るとはいえ、古典的な物語をこんなふうに改作してしまっていいものかどうか、ちょっぴり気になりますが――。表題作など、愉しい笑いと痛烈な諷刺で別世界へご案内するショートショート33編。

ようこそ地球さん

タイトル通り、宇宙をテーマにしたSF色の濃い1冊。42編と、たっぷり収録されているので、「もっと星新一を読みたい!」と感じた人には満足感のある1冊になっています。「死」について深く考えさせられる『処刑』『殉教』は、星新一ファンの間で傑作の呼び声が高い作品。この2編から読み始めるのもおすすめ。

ようこそ地球さん(新潮文庫) | 星 新一 | 日本の小説・文芸 | 本 | Amazon

¥825(税込)

文明の亀裂をこじあけて宇宙時代をのぞいてみたら、人工冬眠の流行で地上は静まりかえり、自殺は信仰にまで昇華し、宇宙植民地では大暴動が惹起している――人類の未来に待ちぶせる悲喜劇を、皮肉げに笑い、人間の弱さに目を潤ませながら、奇想天外、卓抜なアイデアをとりまぜて描いたショートショート42編を収録。現代メカニズムの清涼剤とも言うべき大人のための寓話集です。

声の網

これが書かれたのは1970年。現代のインターネットとスマートスピーカーの普及を予言したかのような、リアルなSF短編連作になっています。今読み返すと、ネットの背景にとてつもなく大きな意思が動いていそうな、底知れぬ恐怖を感じさせる1冊です。

声の網 (角川文庫) | 星 新一 | 日本の小説・文芸 | 本 | Amazon

¥484(税込)

ある時代――電話は単なる通話の道具ではなかった。ある番号を回せば、自分の商売に関連した情報が即座に送られてくる。診察器と組み合わせれば、居ながらにして病院の診察もうけられる……。そんなある日――メロン・マンション1階の民芸品店の電話が鳴り、「そちらの店に強盗がはいる」とだけ告げて切れた。そしてそのとおり、店は強盗に襲われた。それを契機に12階までの住人に次々と異様な出来事が。――謎に満ちた12の物語がつくるショッキングな結末とは?

3.さらにショートショートを楽しみたい人に!

ショートショートに興味を持ったら、別の作品も手にとってみませんか?今回紹介する2つのシリーズは、書店では、児童書の棚にある作品ですが、大人でも十分楽しめる内容です。子供と一緒に読んで、感想を言い合うのもおもしろいですね。

「5分後に意外な結末」シリーズ

シリーズ累計280万部を突破した、小・中学生に人気のシリーズ。対象は小学4年生以上。笑える話、感動する話から、ゾッとする話、SF、ミステリーまで、幅広いジャンルのストーリーを集めたシリーズです。5分程度で読める長さと、あっと驚くどんでん返しのある結末が特徴。発行元の学研出版サイトで試し読みができるので、興味を持ったら、のぞいてみましょう。

「54字の物語」シリーズ

シリーズ累計25万部突破の人気シリーズ。9マス×6行の原稿用紙に収められた、たった54字で完結するという究極の短編です。無駄な部分をそぎ落とした必要最低限の文章なので、オチがよく分からないという人のために、物語の次のページに解説が掲載されています。これを読めば、「この話ってどういうこと!?」というモヤモヤがなくスッキリ!動物をテーマにした『zoo』、日本史をテーマにした『史』など全5冊。

超短編小説で読む いきもの図鑑54字の物語 ZOO | 氏田 雄介, 武田 侑大(絵) |本 | 通販 | Amazon

¥1,100(税込)

イヌ、ネコ、パンダから、恐竜、ツチノコまで!!動物の豆知識も収録!!ズーっと楽しめる90話!!

また、発刊元のPHP研究所では、不定期で「54字の文学賞」を開催しています。原稿用紙数枚はハードルが高くても、54字なら書けそうな気がしませんか?「小学生の部」からあるので、興味を持ったら、チャレンジしてみるのもいいですね。短い文章に収める大変さと、その制約の中で、1000を超える傑作ショートショートを生み出した、星新一の偉大さを改めて実感できます。

何度も読み返して「オチ」の深さを味わおう

星新一作品の味わい深さの1つは、なんといっても、結末の鮮やかなオチ。ユーモア、哀しみ、喜び、恐怖、様々な人間の感情を全て飲み込んでしまうような、含蓄のあるオチになっています。そのため、何度読んでも違った捉え方ができ、楽しむことができる作品となっているのです。

一度目はどのような結末を迎えるのかと予想して楽しみ、2度目以降は、オチの深さをいろいろな角度から味わいます。幸いなことに、ショートショートの良さは、なんといっても気軽に読めるところ。寝る前に1編、ちょっとした休憩中に1編など、いつでも、どこからでも、自由です。星新一の作品を一度読んだだけで終わりにするのは、あまりにもったいないこと。ぜひ、何度も読み返し、オチの深さを味わってくださいね。

長い夜にショートショートはぴったり

Yamako

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