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はじめてドナー登録をする前に知っておきたい注意すべきポイント

はじめてドナー登録をする前に知っておきたい注意すべきポイント

一昔前よりも多くの人が行うようになった印象の「ドナー登録」ですが、登録方法や登録条件、ドナーのリスクなど正しい情報を知った上で登録したいという人も多いと思います。今回は、そんなドナー登録に関する様々な知識をご紹介し、命のバトンをつなぐ第一歩を踏み出すお手伝いができればと思います。

えりりこ63

この記事のアドバイザー

えりりこ63

元日本語教員で2児の母


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目次

1.初めてのドナー登録はその内容を知ってから

「ドナー登録」という言葉を一度は耳にしたことがあるとは思いますが、ドナー登録の方法や、具体的にどんなことをするのかを知っている人は多くありません。初めてのドナー登録をするには、ドナー登録がどんなものなのか、まずはその内容をしっかりと理解することが大切です。

ドナー登録は「命のボランティア」

日本骨髄バンク(https://www.jmdp.or.jp/)で「命のボランティア」と称されるドナー登録。日本骨髄バンクが行う骨髄移植や末梢血幹細胞移植を多くの患者さんに施すためには、提供者である「ドナー」も多く必要です。ドナー登録をした人の中から、患者さんとHLA型(ヒト白血球型抗原)をはじめとした様々な組織の適合性が高い人がいれば、患者さんは骨髄移植や末梢血幹細胞移植を受けることができます。あなたがドナー登録することにより、救われる命があるかもしれません。

骨髄移植とは

骨髄移植は、患者さんにドナーの骨髄細胞を移植する治療法です。白血病や再生不良性貧血といった血液に関する難病を抱える患者さんの静脈内に、正常な骨髄細胞を注入・移植することで造血機能の回復を試みます。骨髄移植後の5年生存率は70%以上と高く、この治療法の精度の高さがわかります。

とはいえ骨髄移植や末梢血幹細胞移植は、自分以外の人間の細胞を体内に取り入れる治療なので、前述の通り、HLA型やその他の組織の適合性が極めて高い人でないとできません。よって、血縁者の方が適合性が高い、治療後の拒絶反応や合併症のリスクが低いという利点がありますが、血縁者であれば必ずしも適合性が高いという訳ではありません。移植可能となる確率は兄弟や姉妹でも25%、血縁関係のない人間ならば数百から数万分の1だとも言われています。1人でも多くの患者さんを救うためには、より多くのドナー登録が必要であることがわかります。

ドナー登録者数は増加するも、足りないのが現状

2019年8月時点でのドナー登録者数は約52万人。ドナー登録者は年々増加しているものの、そのうち42%は40代、13%は50代となっています。10代、20代のドナー登録者はあわせて16%と非常に少なく、今後ドナー登録者が減少していく恐れもあるのです。

日本骨髄バンクでは講演会や登録会を学校で行うなどの対策を取っていますが、ドナー登録に関する問題は他にもあります。実は患者さんが1人以上のドナー候補を見つけれる確率は95.8%と非常に高いにも関わらず、実際に移植を受けられるのは57.4%。ドナーの健康上の理由により移植が受けられないというケースももちろんありますが、都合がつかない、連絡が取れない、家族の同意が得られないという場合も多いのです。骨髄提供は「痛くて怖い」というイメージが強く、登録したもののドナーになることに踏み切れないという方も多い現状ですが、1人でも多くの患者さんを救うためには「なんとなく」の登録者を量産するのではなく、内容やリスクなどをしっかりと把握した上で、覚悟を決めて登録をしてくれる人を1人でも増やすことではないでしょうか。

2.ドナー登録の方法や登録条件は?

ドナー登録をすることで誰かの命が救えたら、そんな思いを持ったらすぐ登録をしましょう。患者さんは自分に合ったドナーが現れることを、今か今かと待ち望んでいます。ドナー登録の方法は非常に簡単ですが、まずは自分がドナー登録の条件に当てはまっているのかを確認してください。

ドナー登録できる人の条件

ドナー登録には年齢制限があります。ドナー登録ができるのは、18歳から55歳まで。満55歳の誕生日を迎えると、登録取り消しとなります。ちなみに18歳でドナー登録をしても、骨髄や末梢血幹細胞を提供できるのは20歳からとなりますので覚えておきましょう。

この他、体重制限もあり男性は45㎏以上、女性は40㎏以上でないとドナー登録ができません。年齢、体重の条件をクリアし、かつ健康で、骨髄や末梢血幹細胞の提供についてしっかりと理解していれば、ドナー登録を行うことができます。

ドナー登録できないのはこんな人

ドナー登録の条件の1つは「健康であること」ですが、具体的にドナー登録ができないのはどのような人なのでしょうか。ドナー登録ができないのは、

・ぜんそくや肝臓病、腎臓病などの慢性疾患がある
・病気療養中、服薬中である
・がんや脳卒中、心筋梗塞などの病歴がある
・高血圧や過度の肥満である
・輸血を受けたことがある
・血液の病気である

などです。自分が当てはまるかどうかわからない場合には、日本骨髄バンクに問い合わせてみるのも良いかもしれません。

登録は4ステップで簡単に

条件をクリアしたらいよいよドナー登録です。ドナー登録の手順は非常に簡単で、

①パンフレットを読む
「チャンス」というパンフレットを読み、内容をしっかりと理解します。「チャンス」は郵送で取り寄せることもできますし、ネット上で見ることも可能。視聴時間は約15分です。

②登録申込書を記入する
申込書に必要事項を記入します。申込書は郵送か、ネット上でダウンロードも可能です。

③登録窓口や登録会へ行く
記入した申込書は登録窓口やドナー登録会に提出します。各地域の登録窓口はこちら(https://www.jmdp.or.jp/reg/reception/)から調べられます。この時、申込書の提出のほか、簡単な説明とHLA型検査のための採血があります。費用はかかりません。登録に必要な時間は約20分です。

④確認書が送付される
登録が完了すると、ドナー登録確認書が送付されます。その後は患者さんとの適合検査を定期的に行い、適合した場合にはドナーの依頼連絡が来ます。

という4ステップで簡単にできます。インターネット環境があれば、今日から登録の準備を始めることができますよ。

3.ドナーの注意点やリスクを知ることも忘れずに

多くの患者さんがドナーを求めていることや、登録条件を満たしていることが分かったら今すぐにでも登録をしたい!と思うかもしれませんが、ちょっと待ってください。ドナー登録をし、実際にあなたがドナーに選ばれたら…どのようなリスクがあるのかを知っておくことも大切です。

ドナーに選ばれると制限が多い

あなたがドナーに選ばれ、誰かの命を救うことができれば、そんな嬉しいことはないでしょう。しかし、ドナーに選ばれたらただ採取をして終わり、というわけではありません。ドナーに選ばれると、様々なことに気を付けて過ごさなければなりません。例えば、

・体調不良はすぐに申告する
・飲酒や喫煙を控え健康的な生活をする
・過度なダイエットの禁止
・4週間前からピルの服用禁止
・献血や抜歯をしない
・2週間前から運動をしない


などです。体内にあるものを他の人に提供するわけですから、健康面にはしっかりと気を付ける必要があります。また、妊娠・授乳中はドナーになることができないので、ドナーに選ばれたら採取までは必ず避妊をする、授乳中の場合は卒乳を求められる場合もあります。更に、最終同意後には採取の日程は絶対に替えられず、ドナーの辞退もできません。ドナーとなったことで親の葬儀に出席できなかった、という人もいます。採取前からあなたのドナーとしての仕事は始まっており、何があってもあなたの代わりは誰もできないということを理解しておきましょう。

入院は通常3泊4日ほど

骨髄や末梢血幹細胞の採取には入院を伴います。入院は通常3泊4日ほど。採取の1~2日前に入院をし、自己血採血を行います。これは、採取後の貧血軽減のためです。健康面もしっかりとチェックしたら、採取を行います。骨髄採取の場合は全身麻酔で2~3時間ほど。眠っている間に終わるので痛みはありませんが、麻酔が切れた後は痛みや不調が出る場合もあります。その後体調に問題がなければ2日ほどで退院できます。体調が良ければ退院後すぐに仕事に行くこともできますし、短期間で日常生活に戻ることが可能です。

末梢血幹細胞を提供する場合には、採取の3~4日ほど前から造血幹細胞を増やす注射を行います。これを入院にするか、通院にするかで入院期間は異なり、最短1泊2日で退院できます。末梢血幹細胞の採取には3~4時間ほどかかります。移植に必要な数が採取できれば終了ですが、足りなければ翌日再度採取を行います。採取による入院は元気ならばシャワーなどを浴びることも可能です。備え付けのシャンプーなどがある場合もありますが、お気に入りのシャンプーやスキンケア用品を持参し、入院生活に少しでも楽しみを増やせると良いかなと思います。

骨髄提供後の健康被害はゼロではない

骨髄提供のリスクや健康被害は少ないものの、ゼロではありません。採取後は大半のドナーが数日間の痛みを訴えており、更に微熱や吐き気、倦怠感などを伴う場合もあります。しかし、これらの症状は2日ほどで収まるケースがほとんどですが、稀に症状が改善せず入院期間が延びる人もいます。

骨髄バンクにおける死亡事例はありませんが、海外で3件、日本で1件のドナー死亡例が確認されています。また、骨髄バンクによる骨髄移植では、過去に急性C型肝炎や血種などのトラブルに見舞われたドナーもいます。健康な人がドナーになるとはいえ、リスクがゼロではないこと、また採取後には多少の体調不良を伴うということをしっかりと覚えておいてくださいね。

ドナー登録は正しい知識を得たうえで

あなたの勇気で誰かの命が救えるドナー登録ですが、制限やリスクを伴うことも事実です。登録はしてみたものの、やっぱり怖いから、制限されるのが面倒だから、と断るようなことのないよう、しっかりと理解をした上で登録に踏み切りましょう。

多くの人が初めてのドナー登録を行い、1人でも多くの命を救えることを祈っています。

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えりりこ63

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えりりこ63

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