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【はじめてのエンディングノート】いつか家族が困らないように。エンディングノートのススメ。

【はじめてのエンディングノート】いつか家族が困らないように。エンディングノートのススメ。

もし自分に何かあったときに、どうやって家族に申し送りをしたらいいのでしょう。保険や銀行口座、受けているサービス、PCの中身・・・。自分の伝えたい意思と、それを誰に伝えるか。自分の備忘録としても使えるエンディングノートの作成を、はじめましょう。

Evelyn

この記事のアドバイザー

Evelyn

スローライフ派/元編集者


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目次

1.まず、自分自身のことを書き出してみよう

エンディングノートを書き出すにあたって、自分のことを少しずつ書いてみましょう。最初から「自分のいなくなったときのため」と考えると、トーンが下がってしまいます。まずは自分のために、自分のことをあらためて振り返って書いてみてください。

家族は知らない、あなた自身のプロフィール

あなたの名前を知らない家族はいないかと思いますが、正しい生年月日とか、血液型、親や兄弟姉妹・親族の名前、あなた自身の本籍地、出生地などは、知らないこともあります。特に本籍地は、何度か本籍を移動した場合、それを全て記録しておく必要があります(いずれ相続処理を行う時に、全ての本籍地の戸籍が必要になるため)。引っ越しをしたのであれば、どんなところに住んでいたのか、住所だけでなく周囲の様子も書いておくと、いろいろなものごとが思い出されてきます。通っていた学校や、勤めた経験のある会社、所属していた会やクラブなども書いておくといいでしょう。その時々に親しくなり、今も交友のある方のリストも合わせて書いておきましょう。

今の体調や持病の現状を書いてみましょう。かかりつけ医はどの先生か、どういう症状で診てもらっていて、現在どのような状態なのか、常用している薬は何か、アレルギーはあるのか、などなど。それから、これまで罹った病気も書いておきましょう。家族が知っている病気もあると思いますが、家族が知らない既往歴も書いておくとベターです。

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大切なイベントや思い出など自分の備忘録としても活用しよう

ここまで書いてくると、自分自身のさまざまなことが思い出されてくるものです。その中で記憶によみがえってきた、特に思い出深い出来事やイベント、欲しかったもの、飼っていたペット、好きだった人、いつも行っていた場所、なりたかった自分・・・、そんなものを気ままに綴ってみてください。あなたの人生の備忘録としても使えますし、普段思っていることを書いておく場所としても使えます。

あなたのエンディングノートを、あなたの大切なものにするための大事なステップです。書式は自由ですし、好きな時に書き足していっていいのです。楽しんで書いて下さいね。

2.いざという時に家族に伝えたい、大事なこと

ここからは、自分に何かあった時、何をどうしてほしいか、という「意思表示」を表す部分です。家族にそれを伝える前に、自分がどうしたいのか、家族にどうしてほしいのかを、よく考えてみましょう。自分が本当に望むことが何なのか、自分自身とよく向き合って決めていくことが大事です。家族に良く思われたくて、見栄を張る必要はないのです。

病気で倒れたときのために

持病が悪化する場合もあるかもしれませんし、思いもよらない病気にかかる可能性もあります。その時に、どういう対応をしたいのか、自分の思いを書いておきます。

たとえば、がんになった時、治療方針を全部自分で決めたい方もいれば、がんであることを自分には知らせないでほしいと思っている人もいるでしょう。先進医療を駆使して徹底的にがんと闘いたい方もいれば、普段の生活を優先してがんと一緒に生きていく方向を選ぶ方もいるでしょう。延命治療や胃ろうを受け入れる方も、拒否する方もおられるはずです。

こういうことを書いておく必要があるのは、病気で倒れた時、意思表示が思ったようにできなくなる可能性があるからです。また、自分自身の意思を確認するためにも、こういう時に自分はどうしたいのか、考えてみる時間を作りましょう。

介護が必要になったときのために

病気で倒れた時とはまたケースが変わります。介護の場合、自宅介護か、施設介護かの選択があるからです。自宅介護にはある程度家族の協力が必要です。ここに「自宅介護を希望」と書いても、その通りになるとは限りませんが、希望をしていることは伝え、できれば家族と話し合いの機会が持てるといいのではないでしょうか。

また、介護の程度によっても、状況は変わります。自分で判断力がキープできる場合は、ある程度自宅介護でも負担が抑えられますが、認知的な課題があると、家族の負担はぐっと大きくなります。そうなった時に、自分の介護をどうしてほしいのか。これもまた家族とできれば話し合ってほしい点なのですが、自分の意見を書いておき、エンディングノートに希望が書いてあると家族に告げておくだけでも、伝えることはできます。

病気で倒れた時もそうですが、介護が必要になった時のために、使ってほしい預貯金や生命保険がある場合は、ここに記入しておきましょう。また、法定後見人をつけてほしい場合も、希望を書いておくといいでしょう。すでに任意後見人を選んでいる場合は、その旨を記載しておきましょう。

自分が亡くなったときのために

あまり考えたくない、という方もいらっしゃるかもしれませんが、自分の逝き方、死後の葬式やお墓のことなどで、家族はけっこうてんやわんやになるものです。家族を混乱させないためにも、亡き後の対応の希望をある程度でも書いておくと、家族や親族を惑わせずに済みます。喪主である家族がシンプルなお式をして、親族に後日あれこれ言われる、などということもまだまだある世の中です。きちんと意思を明記しておき、家族がトラブルに巻き込まれないようにすることも重要です。

・リビングウィル
回復の見込みがない時に、人工呼吸器などの延命措置を行わずに平穏死をさせてほしい、と希望意思を表明することを「リビングウィル」と言います。医療機関にかかると、なかなかそういった意思は汲みとられにくいのですが、きちんと明示することで、家族も医療側も納得の方向へ向かうのではないでしょうか。

ただ記入するだけでなく、もっとはっきり意思表示をしたい場合は、「日本尊厳死協会」に登録して、きちんとした希望表明書を作っておくこともできます。

・自分の遺体について
脳死や心停止時に、臓器提供をしたい、病院へ献体したい、という希望がある場合は、記載しておきます。臓器提供の場合、以下の3つの方法があります。

ネットで臓器提供の意思登録をする。

②健康保険証や運転免許証、マイナンバーカードの臓器提供意思表示欄に意思を記入する。

臓器提供意思表示カードを携帯する。

また、献体とは、医学や歯学の研究・発展のために、遺体を無条件無報酬で大学や関連団体に提供することを言い、献体したい医科大学や団体に、生前から登録しておく必要があります(献体の場合、申し込みの時点で、家族の同意ももとめられます)。

これらのことについて、ただカードを携帯したり登録したりするだけでなく、こういう登録をしてこのようになっていると明記し、家族に知ってもらうことが大事です。

・葬式について
自分の葬式をどんな風に執り行ってほしいかの希望を書きます。自分の式なのに自分で見られないのが自身の葬式です。特定の宗教宗派であげてほしいのなら、その指定をします。式そのものも、シンプルにお金をかけずにしてほしいのか、あまりしめやかにせずにぎやかに行ってほしいのか、できるだけ身内のみで行いたいのか、そういったことを書いておくといいでしょう。

最近では「生前葬」と言って、自分が生きているうちに周囲とお別れする儀式を行うことも見られるようになってきましたが、まだ一般的なものではありません。ですが、自分であらかじめ葬儀社を探し、執り行ってほしい葬儀について生前に準備し予約をしておくことは増えているようです。少なくとも自分の式への希望と、自分の死を知らせてほしい友人・知人のリストは、家族が困らないためにも書いておきましょう。

・お墓について
既に家のお墓があるようなら、その指定をします。自分用に墓を用意している場合も明記します。また、何らかの事情で家の墓に入りたくない、複数の場所に分骨してほしい、もしくは、海に散骨をしてほしい場合は、その希望を書いておきましょう。

3.財産や個人情報をまとめておこう

自分の死後、本当に大変なのは、実は財産・個人情報の整理です。人は、ただ生きているだけでも、とても多くのところと繋がっています。家族・親族と繋がっていたのはもちろんですが、行政機関や金融機関、サービス関連業とも繋がりがあります。これらをひとつひとつ処理していくのが、残された家族の仕事になります。その大変な仕事を少しでも楽にするために、きちんとリスト化しておきましょう。

お金にからむあれこれを整理しましょう

・遺言書
公正証書遺言、もしくは自筆証書遺言を作成済みの場合は、記載しておきます。自筆証書遺言を何度か書き直している場合は、最新のものがいつ作成したものか、その年月日も書いておくといいでしょう。

・金融機関
銀行口座
使っている口座、使っていない口座、ネットバンクも含めて、銀行・支店名と口座番号、名義をリストアップします。ネットバンキングの場合は、ログインIDとパスワードも必要です。もしまだローンがあるようなら、書いておきます。

また、貸金庫を利用している場合も、明記します。

証券会社
同様に、証券会社の会社名、支店名、ネット証券の場合はログインIDとパスワードが必要です。

クレジットカード
常に使っているクレジットカードをリスト化します。スマホ決済のアプリについてもリストに入れる必要があります。

金融機関のリストは確実に作っておきましょう。自分の死後、これらの口座は、相続が確定するまで凍結されます。対象となる口座が多ければ多いほど、残された家族の手間が増えてしまいます。リスト化する際に、使っていない銀行口座やネット口座、クレジットカードは解約し、手元に残るものをできるだけ少なくしておくといいのではないでしょうか。

そして、通帳、印鑑などの大事なもののありかや、ログインIDとパスワード等の大事な情報は、エンディングノートには書かず、家族にだけわかる場所に保管しておくのがベストです。全てを書いてしまうと、万が一そのノートが他者にわたった時のリスクが大きいからです。

・公共機関とのつながり
健康保険証や年金手帳、運転免許証、マイナンバーカード、印鑑証明カードの情報を明示します。場所は明記せず、家族にわかる場所、程度の暗示にとどめましょう。また、電気・ガス・水道等の名義が自分である場合は、公共料金の引き落とし口座がどこであるかも書いておき、名義変更や解約がスムーズになるようにしておきましょう。

・保険
生命保険に入っている場合は、保険会社と保険のプラン、証書のありかを明記します。また、掛け捨てでない損害保険(火災保険・自動車保険等)に入っている場合も、その保険会社と保険名、証書の保管場所を書いておきましょう。

・動産・不動産
金融機関に預けていない現金や証券・金券と額面についても書きます。また、高額と思われる物品、たとえば掛け軸とか絵画、骨董品などがある場合は、どういうものでどこに保管してあるかを明記します。車や船舶も動産ですので、リスト化します。不動産については、どういった不動産をどこに持っているかというリストと、権利書のありかを書いておきましょう。

・保証人、連帯保証人
もし、これまでに何らかの形で保証人や連帯保証人を引き受けていた場合、そのことも明記しておいてください。自分自身の死後、相続した家族がトラブルに巻き込まれる可能性もあります。

会員権や契約に関するあれこれ

これまでの人生で、いろいろなところに会員登録をしてきたのではないでしょうか?スポーツジムや趣味の会、ボランティア、派遣登録、ゴルフ場やリゾート施設、生協や共同購入など、多くの会と関わってきたと思います。それら全てを思い出すのは大変ですが、少なくとも年間使用料を支払っているものだけはリスト化しておきましょう。書面や通帳の引き落としなどから洗い出してもいいでしょう。

また、現在の住居に賃貸契約で住んでいるのであれば、自分の死後すぐに退去し契約解除できるよう、契約の連絡先も明記しておきましょう。解約が遅れると、その分の賃貸料が発生し、相続人が支払うことになるからです。

そして、スマホ・PC・タブレット、WEBサービスに関連する情報です。スマホやPCのログインパス、その機器の中のどこに何が入っているかの情報もですが、WEBサービスの契約についても諸々明記が必要です。

ご自分でWEBページを持っている、ブログを開設している、クラウドにストレージを持っている、クラウドでのアプリを利用している、SNSを利用しているなど、毎月もしくは毎年の利用料が発生するものだけでなく、個人情報のわかるものや、ネット上に残っていると悪用される可能性のあるものもたくさんあります。分かっている分をリストアップし、今後不要と思われるものは契約を解除しておくといいでしょう。

エンディングノートは、自分と家族のため

エンディングノートというと、「終活」というイメージがあります。確かに自分の亡き後に向けて家族に伝えたいものごとではありますが、「自分がいなくなる」ということが、いつ起こるかわからないことである以上、エンディングノートの作成は、今すぐにでも始めておくべきものなのかもしれません。

家族のためとはいえ、エンディングノートを作ることは、今の自分の状況を把握することにもつながります。金融機関やクレジットカード、会員登録など、無駄で不要なつながりを解消するきっかけにもなります。

そして、一番大事なことは、エンディングノートを書いていること、それがどこに置いてあるか、ということを、後を託す家族にきちんと伝えておくことです。ただ書くだけではなく、自分の意思をしっかりと手渡すために、エンディングノートの存在を家族に知らせておく必要があるのです。

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エンディングノートは、市販のものを使ってもいいですが、好きな装丁のノートを選んで好きに書くのも素敵です。型にはまったものではなく、自分のオリジナルの、オンリーワンのノートを作るつもりで、楽しんで作ってみてくださいね。

Evelyn

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