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建築士になりたい!資格の勉強を始める前にすべき事

建築士になりたい!資格の勉強を始める前にすべき事

建築士資格は、建築業界で働く上では取得しておきたい国家資格の一つです。資格を保持する事で、提案に対する説得力が増し、また仕事の幅も格段にアップします。そんな建築士資格取得の勉強をこれから始める人向けに、やっておくべき内容をいくつか紹介していきます。

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建築士を目指して修行中!


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目次

1.建築士資格とは

建築業界で働く上で保持しておきたい資格の一つである「建築士資格」。建物づくりの責任者として携われ、即戦力となれる人材として扱われる為、持っていると非常に優遇されます。

建築士資格取得を目指す人向けに、勉強を始める前にすべき事などを紹介します。

図面を広げる女性

試験概要と受験資格について

建築士資格は一級と二級の二種類があり、試験は年に一度学科(7月実施)と設計製図(10月実施)とがあり両方に合格しなければなりません。先ず初めにそれぞれの試験概要や受験資格についてみていきます。

【一級建築士】

・学科試験の試験概要
5科目全125問の4枝択一マークシート方式となります。内訳は、建築計画より20問、建築環境・設備より20問、建築法規より30問、建築構造より30問、建築施工より25問となります。

各科目が合格基準点である13点に達し、且つ全科目の総得点が基準を満たしていれば合格となります。基準点は、その年の問題の難易度により補正が入る可能性があります。

令和元年の合格基準点は前年よりも6点上がり、97点でした。その年の学科試験での合格率は、受験者数25,132人に対し合格者が5,729人の22.8%という結果でした。

また、前年若しくは2年前の学科試験合格者は、本人の申請により当年の学科試験を免除される制度があります。

・設計製図試験の試験概要
事前に公告された設計課題に対し、6.5時間の試験時間内に与えられた条件を充たす建築物を計画し、作図を行います。作図は手描きで行い、設計する上で必要な知識・技能を図面上で審査されます。

令和元年の合格率は、受験者数10,151人に対し合格者が3,571人の35.2%という結果でした。

・受験資格
大学や専門学校で所定の単位を取得した後、所定の年数以上の実務経験があると認められる人や、二級建築士を取得してから4年以上実務経験がある人等が受験する事が出来ます。

建築士資格は一級と二級の二種類があり、試験は年に一度学科(7月実施)と設計製図(10月実施)とがあり両方に合格しなければなりません。先ず初めにそれぞれの試験概要や受験資格についてみていきます。

ノートルダム ・ ド ・ ロンシャン / ル・コルビュジエ

【二級建築士】

・学科試験の試験概要
4科目全125問の5枝択一マークシート方式となります。内訳は、建築計画、建築法規、建築構造、建築施工より各25問となります。合格基準の概念は一級と同様となります。令和元年の学科試験での合格率は、受験者数19,389人に対し合格者が8,143人の42.0%という結果でした。

・設計製図試験の試験概要
事前に公告された設計課題に対し、5時間の試験時間内に与えられた条件を充たす建築物を計画し、作図を行います。一級と比較をすると課題となる建築物の規模がやや小規模となります。令和元年の合格率は、受験者数10,884人に対し合格者が5,037人の46.3%という結果でした。

・受験資格
大学や専門学校で所定の単位を取得すれば、実務経験無しでも受験する事が出来ます。また、建築系の学校を卒業しなくても、実務経験が7年以上と認められれば受験が可能となります。

上記に関する詳細は、公益財団法人建築技術教育普及センターのホームページに記載がありますので、事前に確認する事をお勧めします。

Port House / Zaha Hadid

一級建築士と二級建築士の違い

一級と二級では試験概要や受験資格に違いがある事が分かりましたが、具体的に実務においてどのような違いがあるのでしょうか。

それは、「設計可能な建築物の規模」に違いがあります。一級建築士は規模に関わらずどんな建築物でも設計が可能です。それに対し、二級建築士は下表にあるように、基本的には一般住宅等の小規模な建築物の設計に限られます。

大規模な建築物の設計をする場合は、一級建築士資格は必須となります。しかし、一級建築士試験は二級と比較すると難易度も高い為、まずは準備として二級建築士から受験する人が殆どの様です。

建築図面

2.勉強スタイルを確立させよう

自分に適切な勉強方法を選択する事が大切

毎年たくさんの人が受験する建築士の試験。ここでは、建築士試験初めての人向けに勉強スタイルとそれぞれの特徴について大きく2つ紹介をしていきます。

①資格学校で勉強する

建築士を目指す人の最も王道の勉強スタイルです。カリキュラムは学校やコースにより異なりますが、初年度受験の場合は、設計製図試験まで合わせて1年〜1年半程度のカリキュラムが好ましいです。

理由としては、初学者は学習習慣が身に付いていない人が多く、長期間に及ぶ通学という行為で学習サイクルが上手く身につきやすい為です。最短で合格を決めたいのであれば、学校にある一番長期のプランを組む方が確実です。

金額は、一般的に1年〜1年半程度のコースだと80~100万円(設計製図試験対策約20万円を含む)となります。ここまでお金は出せない…という人には、8ヶ月通学の70万円程度のコースや、5ヶ月通学の30万円程度のコースもあります。いずれにせよ高額な教育費がかかる為、お財布と良く相談して覚悟を決めたいものです。

通学をして合格した人の多くは、「忙しいから学校に通った」と口にするそうです。仕事や家事が忙しい人程通学のメリットが大きいと言われています。理由としては、学校では「試験に最短で合格する為の勉強ノウハウ」をギュッと凝縮して教えてくれる為です。忙しい合間を縫って学校に通う事でメリハリが生まれ、高い集中力を保ち勉強を継続する事が出来ます。日常生活の中であまり自由な時間がない人は、先ずは通学を検討してみてください。

建築士資格合格に実績のある資格学校は、日建学院や総合資格学院、TAC等があります。自宅や会社の最寄り駅から、通いやすい学校を探してみてください。

机で勉強

②通信or WEB講座で勉強する

勉強はしっかり行いたいけれど、学校に通う事が困難な場合は、通信講座等で勉強するという方法がお勧めです。

この場合ですと、勉強場所も時間を選ばず自宅等で好きな時間にマイペースに勉強をする事が可能です。また、費用は3万円程度(学科のみ)から受講可能な為、安価に抑えられる点が最大のメリットと言えます。先述した資格学校のコースの中にも、通信講座やオンラインで受講できるWEB講座がある場合もあります。費用をなるべく抑えたい人は、一度検討してみても良いでしょう。

しかし、これらの勉強方法はある程度しっかりと自己管理が出来る人でないと、途中で挫折してしまう恐れがあります。マイペースに勉強が出来る反面、学校と違い同じ教室に同じ目標を持った仲間たちと集う訳では無い為、辛い時も自らを律し奮い立たせなければなりません。独学がある程度得意な人に適した勉強方法と言えます。

また、①と②のスタイルを掛け合わせて「学科対策は通信講座を受講し、設計製図対策から通学する」という方法もあります。

学科も設計製図も共に全くの独学でチャレンジするという方法も不可能ではありません。しかし、その場合一発合格は大変難しく、資格取得に3年以上もの期間を費やしたという話も聞きます。より最短で資格取得を望む場合、初期投資をした方が結果的に安上がりになるケースも考えられます。

お金と時間との相談にはなりますが、貴重な時間を無駄にしない為にも、自分に合った学習ツールを活用し効率よく勉強を進めていきましょう。

歌舞伎座

費用対効果を検証しよう

建築士資格試験の勉強には、ある程度のお金と時間がかかる事は分かりました。

ここで一度立ち止まって考えたい事は、「何故建築士資格を取得したいか」という事です。資格を取得出来れば希望の職種に就けるからでしょうか。それとも自分に自信を付けたいからでしょうか。

資格取得に費やした労力が10倍にも20倍にもなって将来の自分に帰ってくるのかどうかを考えた時に、大きなリターンが望めそうな場合は、費用対効果が高いと言えます。事前にこの検証をする事で、モチベーションも大きく変わってきます。

また、企業によっては資格手当というものがあり、建築士資格を取得しているだけで月々の給料にプラス1〜3万円程手当がもらえたり、合格時に祝い金として10万円程度の手当がもらえたりする福利厚生もあります。

先述した勉強に要する費用と比較して、建築士資格取得の費用対効果を検証してみましょう。

光の教会 / 安藤忠雄

3.いざ資格の勉強に取り掛かるその前に

事前にやっておくべき事

一般的に建築士合格の為に必要な勉強期間は、多少の個人差はありますが半年〜1年程度と言われています。予備知識が全く無い場合はそれ以上必要になる可能性もあります。多くの人が勉強と何かの両立に励む事になります。社会人であれば出勤日の朝か帰宅後に2~3時間、休日はそれ以上の勉強時間を確保したいところです。

それらの時間を、どこから捻出したら良いでしょうか。どんな人にも時間は平等に1日24時間与えられます。その中でスケジュールを立て、優先順位の高い物事から処理をしていきます。

優先順位は人に寄ってそれぞれ異なると思いますが、「学習」の優先順位を上位に持ってくる事が非常に重要です。テレビを観たり、遊びに行ったりする余暇時間を極力減らし、捻出した時間をなるべく多く勉強時間に充てなければ、合格への道のりはどんどん遠のいてします。より多くの時間を勉強に費やす為に、事前に職場の人や家族に相談してみても良いかも知れません。

東京駅丸の内駅舎

資格取得への近道は無い

試験直前になると、「当年度の予想問題」という類の問題集が多く出回り、多くの受験生はこの様な直前対策を重視する傾向にあると言われています。

予想問題に関しては、先述した様な資格学校も数年分の過去問題から熱心に研究に取り組んでいます。しかし、予想問題だけ解いていても試験対策としては不十分と言えます。それよりも、出題される分野の基本的な知識をインプットする事と、記憶する為の繰り返し学習を継続的に行う事の方が遥かに大切です。

予想問題だけに真剣に取り組み、本番での一発逆転を目指すという作戦では、いつまで経っても合格の目標に達する事は出来ません。近道しようとはせず、コツコツと着実に学習を進めて行く事が一番だと心得ましょう。

建築士は、一度合格すれば一生実務で役立つ資格

建築士資格は近年ますます厳しくなっています。この状況の中で合格を勝ち取る為には、「必ず合格する」という強い意志を持ち、素直な気持ちで学ぶ事がとても重要となります。

建築士資格は、一度合格すれば一生実務で役立つ資格です。勉強は時に辛くなる時もあると思いますが、適度に息抜きをしながら、合格した時の嬉しさを想像して、自分に厳しく勉強に取り組んでください。

建築士資格試験の合格を、心よりお祈りしています!

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