「はじめて」をわかりやすく。

学校の先生をはじめるために教員免許取得をしよう!

学校の先生をはじめるために教員免許取得をしよう!

中学・高校の国語の教員免許をとりたい場合、大学で所定の科目の単位を修めたあと教育実習にいかなくてはなりません。国語の教員になるために、大学ではどんな勉強をするのでしょうか?はじめて教育実習に臨むときの心構えも含めて、みていきましょう!

ぶちうに

この記事のアドバイザー

ぶちうに

スポーツ好き元塾講師


CLOSE

目次

1.教員免許ってどんなもの?

「教師」と「教員」の違い

学生時代に出逢った教師に救われた人、逆に教師と意見が合わない経験を持ち反面教師にしたい人。教員を志望する理由は様々だと思いますが、「教員になりたい!」と思う気持ちは、強く、熱いものがありますよね。

一般に、私達は「教師」と「教員」という単語を深く意識せずに使っています。実は、この2つは、厳密には違うものを指しているのです。考え方としては、「学校で働く人かどうか」です。「教師」というのは、学校内に限ったことではなく、様々な立場でものを教える人のことを指します。カルチャースクールの先生も「教師」なのです。一方、「教員」は、学校に於いて、学生を教育する立場にある人のことをいいます。小学校、中学校、高校だけではなく、大学の先生の呼称は、「教員」になるのですね。この稿では、小学校・中学校・高校の「教員」で表記を統一します。

一般に中学・高校の教員は、「自分の専門科目で授業ができて、部活動でも生徒と関わり、成長のサポートができる力」が求められます。中学に入学して、教科ごとに教員が変わるのに慣れるまで、時間がかかった人も多いかもしれません。なぜ、中学の教員が自分の専門科目しか教えないかというと、中学からの勉強は、より専門性が増すからです。

国語という教科をとっても、中学からは古典と現代文とが始まります(厳密にいえば、中学は国語で、現代文は高校から始まる教科です)。古典と現代文は、同じ国語というジャンルでも、内容は似て非なるものです。文法を学ぶのは共通していますが、古典の文献を解読する力と、近現代文学を読み解く能力は、厳密には同じカテゴリーではありません。大学での専攻が、古典か近代文学等のどれか1つであるにも関わらず、国語の教員になると、古典(漢文)と現代文の能力が均等に深く必要とされます。特に高校の教員は、大学入試指導のため、得点源の古典(漢文含む)の能力を高く求められます。

特別支援学校の先生になるには

特別支援学校は、一昔前の養護学校・盲学校・聾学校・病弱や肢体不自由児の学校になります。特別支援学校の教員になるには、まずは、幼稚園、小学校、中学校、高校のいずれかの教員免許が必要です。それに加えて、特別支援学校教諭の課程がある大学で、特別支援学校教員免許の両方を取っておいたほうがいいでしょう。その後、教員採用試験の特別支援学校教員の科目で受験して、合格しなくてはなりません。

特別別支援学校の教員の科目で採用試験を受ける場合、試験科目は、普通学校の教員免許に加えて、特別支援学校の知識などが問われる筆記試験があります。つまり、小学校の教員免許を所持している人の場合、小学校の知識に関する筆記試験と実技、それに加えて特別支援学校の知識に関する筆記試験に合格しなくてはならないのです。自治体によっては、最初は普通学校で勤務していても、途中で、特別支援学校に異動できるところもあります。

2.教員免許を取得するために

どんな高校・大学に行けばいいの?

・教員を目指すなら普通高校(進学校)に行こう

教員を目指す場合、まずは進学校を目指しましょう。理由は、幾つかあります。

1つ目の理由は、学校の教員が何よりも自分の専門教科を通して、生徒の成長を促し育む仕事です。部活や生活指導がクローズアップされがちな昨今ですが、教員が本領発揮すべきなのは、授業です。「中学生や高校生は、専門科目の造詣に深い教員を尊敬する」という統計も出ています。

まずは、授業で生徒の心をがっちりと掴むことが大切です。そのためには、教員に深い学問の造詣がなくてはなりません。自分の専攻の教科を、学生時代に深く学ぶこと。そして周辺の知識も頭に入れておくことが、教員になって教壇に立った時、大きな利点となります。そのためには、多くの知識を吸収できる環境に身を置くことがベスト。できるだけ進学校に進めるように勉強しましょう。

2つ目の理由が一般的な私立の学校は、学校独自で教員を採用します。そこで必要とされるのが、できるだけ高い学歴です。この場合、大学(大学院)だけでなく、高校の学歴も重要です。できるだけ高いほうが有利だといわれています。なぜならば、教員としての知識の量、質を問われる時、高い学歴のほうが「大学でしっかり専門科目を学んで来た」と、採用する学校側に思われるからです。

また、学校が対外的に「優秀な教員を集めて指導しています」とアピールする時は、教員の学歴を伝えるケースが多くあります。大学院の修士を出て、専修免許を持つ人しか採用しない私立もあるのです。

一方、公立の中学・高校の教員になりたい場合も、学歴は大切です。教員採用試験に合格すれば、自動的に採用されるので、学歴は一見、関係なさそうですよね。しかし、教員採用試験は非常に狭き門。そこを突破するのには、高い学力を有していることを意味します。必然的に、学力には学歴が伴うことになります。高校時代も勿論、大学時代も真面目に勉強し続ける情熱がなければ、教員にはなれないと思ったほうがよいです。

以上の理由を見ても、教員志望者は、出来る限り進学校に進んだほうが有利です。「人間は、自分が教えられた範囲のことしか、他人に教えられない」とは、一般に教育界で言われていることです。誰もが、自分が受けてきた教育しか生徒には伝えられません。自分が体験していないことは、伝えられないのです。できるだけ、深く勉強できる環境に身を置き、多くのことを学生時代に吸収して、生徒に伝えられたら素敵ですね。

・教育学部と一般の学部の違い

中学・高校の教員になるには、国立大学の教員養成学部はもちろん、文学部・経済学部など他の学部の場合でも、所定の単位を取ることが必要になります。小学校と違い、教員養成学部に進学しなくとも免許が取れます。教員を目指す高校生が悩むポイントが、教員養成学部に進学するか、一般の学部に進学するかではないでしょうか。

教育学部では、教員に求められる資質・能力を育成することを重視したカリキュラムになります。教育学部の教員は、小・中学校や高校の教員経験者が多いところが特徴です。実際の学校現場の話や、授業技術、実践について大学の教員の経験を聞く機会も多くあります。もちろん、教科に関する内容も学びますが、一般の学部に比べると、専門的な内容を深く学ぶ機会は少ないといえるでしょう。

その代わり、教育学部では、教員免許を取るための科目の多くが、卒業に必要な科目として認められます。比較的、少ない負担で、教員免許を取得可能です。ただし、教員志望をやめて、一般企業への就職を目指す場合、教育学部出身者は、不利だともいわれています。なお、旧帝大の教育学部は、教育学を学ぶところであり、教員養成を主な目的とはしていません。教育学という学問を学びたいときに、選ぶ学校だといえます。

一般の学部は、どうでしょうか。一般の学部では、専門的な内容を深く学ぶことが可能です。文学部で学ぶ場合、国語であれば、古典、近代文学、文芸、言語、比較文学などに分かれて、その分野を深く掘り下げ、詳しく学びます。近代文学であれば、主に明治・大正・昭和初期の文豪の小説の読解をします。卒業研究では、1人の作家にスポットを当て、その作家の文学を詳しく学び、論文にして纏めて提出します。中学生や高校生は、国語の教師といえば、大学を出ているからどのジャンルも深く詳しいと思いがちですが、決してそんなことはありません。基本的に、教員は、大学で学んだ自分の分野に造詣が深いのです。

しかしながら、一般の学部では、教員免許取得に必要な科目の大半が、卒業に必要な科目としては認められないため、教員免許を取らない人よりも多くの授業に出る必要があります。したがって、教育学部に比べて、教員免許取得の負担が大きいといえます。実際、大学の2年生、3年生、と上がっていくうちに単位取得数が多すぎて脱落していく人も多く、大学4年次に、教育実習を前にして教員免許取得を諦めるケースもあります。

教員養成学部と一般学部、どちらがよいかというのは、「人による」としか言えません。国立の教員養成学部に入るには、大学受験で受験科目数が非常に多いため、かなり難関です。それでも、周りが教員採用に向って勉強するので、気持ちを分かち合い、高めあえる利点が国立の教員養成学部にはあります。一方、一般学部に進んで、思う存分、専門科目を研究し、その上で、将来、教員になりたいと思う場合もあるでしょう。

自分が、どの科目も万遍なく点数がとれるタイプか、少ない科目数で高得点を取るタイプかを見極めて、進学先を決めている人も多いです。兎に角、高校までは基礎の勉強に力を入れること。受験勉強の結果、自分に適した大学に進学先に選んでください。

通信制大学で教員免許取得しよう!

教員免許を取得したいと思う人は、毎日、通学する大学生だけではありません。大学を出て、一度、社会に出てから改めて、志を持って学校の教員を目指す人も多くいます。大学や短大を中退し、入り直すケースもあります。これらの場合、教員免許取得には、通信制の大学を選択することになります。通信制大学でも教員免許は取得できます。

通信制大学に入学する時には、入学前に必要な書類をそろえなければいけません。また、大学や短期大学を中退している時でも、取得した単位の認定が下りれば、同じ単位を取得する必要がなくなる可能性がありますので、確認しておきましょう。また、専門学校や短期大学を卒業している場合にも、一定の単位が認定される場合があります。

単位の認定を受ける為には、卒業証明書や単位取得認定書の提出が求められます。卒業証明書や単位所得認定書は、以前に卒業もしくは中退した教育機関に申請しなければいけません。すぐに発行されるものではありませんので、入学申し込みの締め切りに間に合うように、書類の発行手続きを行っておきましょう。

通信制大学で取り入れられている単位の修得方法は、科目履修試験とスクーリングの2種類があります。通信制大学によって取得する方法は異なりますが、おおよそ以下の方法で取得します。取得単位4の場合は、レポートを提出し合格した上で、科目履修試験を受けます。4単位がもらえます。レポートを提出し合格した上で、スクーリングを1回受けるケースもあります。スクーリングを2回受けると、4単位取得できる場合も。

通信制大学の弱点は、対面授業が圧倒的に少ない点です。指導案の書き方や、道徳教育、生活指導等、教員免許取得で必要な科目を、教授の講義を聞きながら身につけていきづらく、教育実習が始まって知らないことばかりで悩むケースもあります。また、通信教育では、学生同士で教職課程の話をする機会が圧倒的に少なく、情報交換ができないところもウィークポイントではあります。自分の力だけで教科書を読解し、レポートを仕上げるのには、鉄の意志が要ります。コツコツと継続的に勉強するのが吉です。

3.教師になるために大学で学ぶこと

教員免許取得に必要な科目を学ぶ

大学では、卒業に必要な授業のほかに、教員免許状取得のための授業科目も、多く取らなくてはなりません。必要な科目は、大きく3つに分けられます。

1つめは、教育職員免許法施行規則第66条の6に定められた科目。主に、大学2年次までの一般教養で学ぶ科目になります。日本国憲法、体育、外国語コミュニケーション、情報機器の操作など。

2つめは、教職に関する科目。一般学部では、「教職の単位」と呼ばれたりします。教職入門、教育史、教育心理学、教育社会学、教育実習 etc.がそれに当たります。広く教育の歴史や教育心理学、道徳の授業、生活指導についても学びます。教職に関する科目は数が多いので、興味を持てると教員免許取得の道のりが楽しいものになります。

3つめは、教科に関する科目。教員として教える教科の専門的内容です。国語の教員の場合、近代文学や古典、漢文を学びます。なかには、文法も教える大学もあります。教科に関する科目は、いずれ教壇に立った時に、自分が専門分野として教える科目です。少しでも、多くの知識を習得できるように努めましょう。

教育実習・介護等体験に行く

教育実習に行く前に、介護等体験に行かなくてはなりません。介護等体験は、大学を通じて申し込みます。高校の免許のみを取得予定の人は、介護等体験は必要ありません。小・中学校の免許を取得する際に、必要です。介護等体験は、社会福祉施設で5日間、特別支援学校で2日間、計7日間で実施されるのが一般的とされています。

大学4年次に赴いた教育実習の際、複数の現場の教員から、教員採用試験を受けるのかと、今後の意向を聞かれる実習生は沢山います。学校は、行事が目白押しです。その合間を縫って、教育実習生を受け入れているのです。実習はボランティアではありません。できれば、本当に教員になりたい実習生だけを受け入れたいのが学校の本音です。「教員採用試験を受けるつもり?」と、現場の教員から聞かれた際、企業への就職を第一希望として考えていても、ストレートにそれを表出しないように、心します。

教育実習は、実習先に受け入れていただき、貴重なお時間を頂戴して、3週間(高校免許のみは、2週間)、生徒さんたちに「教えさせていただく」性質のものです。教育実習に行くと、実習生は、初めて尽くしの現場の環境に適応し、自分が担当する授業の準備をすることで精一杯になります。実際、3週間の実習期間、睡眠時間すら満足に取れない人がほとんどです。学校では指導教官の指導を受けるのに気を遣い、自宅に帰ってからも指導案作成に多くの時間を取られます。心労で、実習中に心身の体調を崩してリタイアしてしまう実習生も少なくありません。実習中は、少しでも睡眠時間を多くとるように工夫し、ゆっくりお風呂に浸かったりするなど自分なりのリラックスする方法を見つけたりしながら、意識的に自分を労わりましょう。

教員を目指す人へのアドバイス

教員を目指す人は年々少なくなっているようです。理由としては、以前のような体罰が認められる環境ではないため、生徒ときちんと向き合う必要がある事やSNSなど教員の目の届かないところで生徒たちだけのコミュニケーションが発生しており、教員としての仕事量が増えてきているため、敬遠されがちな職業と思われています。

しかし、そのような環境を変えようと教員が1人で見る生徒数を減らして目が行き届くようにしたり、家庭訪問や部活動に割く時間を減らして学校の授業内容を充実させるような取り組みも増えています。

特に人と関わる事が好きな人にはうってつけの仕事であり、人を教えることで自分の成長にもなるとても素晴らしい職場環境とも言えます。免許取得までの道のりは大変ですが、頑張ってみる価値はあることをお伝えしたいです。

教育実習完璧ガイド: 実習生・受け入れ校必携 (教育技術MOOK)

¥1,760(税込)

本書は、実習校の選び方から、小・中・高教科別学習指導案の書き方、実習日誌の書き方、実際の授業のポイント、指導教官へのお礼の手紙の書き方まで、「教育実習」にかかわるすべてを、わかりやすく丁寧に解説しました。

ぶちうに

この記事のアドバイザー

ぶちうに

スポーツ好き元塾講師




この記事をシェアしよう

こちらの記事もおすすめ