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言語聴覚士をはじめたい方へ資格取得の方法や学費についてをアドバイス

言語聴覚士をはじめたい方へ資格取得の方法や学費についてをアドバイス

病気やケガをしたときにお世話になるリハビリ。その際、理学療法士もしくは作業療法士という方と関わる事が多いのですが、この他に言語聴覚士というリハビリを行う職業がいます。前者二つに比べとても知名度が低く数も少ないですが、今回はこの職業の特徴やどうしたら就けるかなど紹介したいと思います。

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目次

1.言語聴覚士とは

言語聴覚士とは、どんなお仕事?

理学療法士(PT)や作業療法士(OT)のように患者さんや利用者さんにリハビリを提供するお仕事で、ことばや聞こえ、食べることなどに特化していることが特徴で、ST(speech language hearing therapist)と略して呼ばれています。

医療や介護、成人や小児など様々な分野で活躍していますが、主に成人の脳卒中後の後遺症でみられる失語症や麻痺によって生じる構音障害や嚥下障害、注意力や記憶力低下などが生じる高次脳機能障害などの評価や訓練を行っており、患者さんの能力の維持向上に努めます。

同じリハビリの理学療法士や作業療法士と同様に国家資格が必要な職業です。言語聴覚士の受験資格が取得できる養成校に通い規定のカリキュラムを受け単位を取り、卒業が決まりその後の国家試験に合格することで仕事に就くことができます。

まだできて約20年の新しいお仕事

言語聴覚士の国家試験は1999年に第1回が行われ、その後毎年1回開催されており、2019年に第21回が行われました。2019年現在、有資格者は3万人を超えています。ちなみに理学療法士の第1回の国家試験が1966年なので比較的新しい資格と言えます。

日本の言語治療者の養成は1971年に国立聴力言語センター附属聴能言語専門職員養成所というところで開始され、1988年に認定試験が行われました。そして1997年に言語聴覚士法が制定されたことで国家資格化され、そして1999年に国家試験の第1回が開催され、2019年までに毎年1回、計21回開催されています。

海外でも言語聴覚士に類似した職業は存在し、アメリカでは言語病理士(SLP)と呼ばれていて、日本と同じように患者さんの評価や治療、指導を通じて能力の維持向上を図ります。ただ日本とはやや異なり、主に言語面に特化したアプローチが行われています。

2.言語聴覚士はどこで活躍している?

言語聴覚士の多くは医療の現場で活躍

理学療法士や作業療法士と同じく患者さんにリハビリを施すため、言語聴覚士の多くは医療機関のリハビリテーション科に所属しています。主に脳卒中後の後遺症の方に携わり、失語症や構音障害といった言語障害、嚥下障害、高次脳機能障害等の評価や訓練を行います。脳卒中以外では、呼吸器の疾患や喉頭の摘出などで発声が困難な方の発声の訓練を行ったりします。耳鼻科などに所属している場合は、聴力検査、補聴器のフィッティングや聴能訓練を行うこともあります。

リハビリにおいては訓練室およびベッドサイドで1対1で行ったり、複数の患者さんを一度に集めて集団リハを行ったりします。また本人、家族、スタッフに対して指導したり、現状や予後予測等の説明を行います。

患者さんの治療を行うにあたってチームアプローチが必須で、PTやOTはもちろん、医師や看護師など他職種と連携しながら患者さんの治療にあたります。カンファレンスを定期的に行い、現在の状態や治療方針を話し合ったり、患者さん本人やご家族に希望を伺って目標を立てたり、現在の状態などを説明したりします。

介護の分野でも活躍

割合は少ないですが介護老人保健施設や訪問リハビリテーションなどの保健福祉、特別養護老人ホームやデイサービスなどの介護福祉の分野でも活躍している方がいます。近年では高齢化や在宅療養の推奨などに伴い徐々に増加傾向です。

場所にもよりますが、基本的には医療機関と同じような内容ですが、高齢者が多いため嚥下訓練の比重が医療機関よりもさらに高いところが多いです。また特養などに行くと機能訓練指導員として、STの専門的な分野だけでなく理学療法士が行うような生活動作の訓練などにも携わることがあります。

小児の分野でも活躍

ことばの習得の遅れや吃音、自閉症など生まれつきの障害や生後間もない時期からの障害によって、他者とコミュニケーションが上手く取れなかったり、学習能力に影響が出るお子さんに対してもリハビリテーションを行っています。病院の小児科や療育センターに所属していたり、特別支援学校や小学校のことばの教室などの教育機関にもいらっしゃいます。適切な読み書きやことばの理解を指導したり、親御さんに適切な説明や指導したりと多岐にわたります。また、重度心身障害児などでは嚥下訓練を行う場合もあります。

3.言語聴覚士になりたい!

言語聴覚士になるには国家資格が必要

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言語聴覚士になるには国家資格が必要で、年1回開催されている試験に合格しなくてはなりません。受験資格を得るには、言語聴覚士の国家試験受験資格が取得可能な養成校(大学、短大、専修学校等)に通う必要があります。期間は高校卒業者で3~4年間、4年制大学卒業者対象の養成校は2年間通い、指定された科目や実習などのカリキュラムを受け、単位を取らなくてはなりません。卒業が認定されれば国家試験の受験を得ることができます(※卒業のみでは資格を得ることができません)。

国家試験は内科などの医療分野や失語症などの専門分野など幅広い知識が求められます。合格率は以前は40~50%台で推移することが多かったですが、近年は60~70%台で推移しており、きちんと学習していれば広い門戸と考えられます。かつ受験者も増加しているため、有資格者もそれに伴い増加しています。1999年から始まり、2006年に1万人を超え、2012年2万人、2018年に3万人を数えています。

費用ですが、国立と私立や各養成校、通学年数で異なりますが、目安として国立の養成校の初年度で入学金が約20万円、授業料が約40万円、教科書や教材などその他の諸費用が約40万円程度かかります。

合格したら、晴れて言語聴覚士に

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国家試験に合格したら、合格後に所定の手続きを行い、言語聴覚士名簿というものに登録されて初めて仕事が可能になります。そして業務を通じて経験を積んで、さらなる知識や技術を習得しながら業務にあたっていきます。また、業務外でも講習会や学会の参加、協会の活動、学会発表などを行う方も多々いらっしゃいます。最近では規定のカリキュラムを受け認定言語聴覚士を修得されたり目指している方もいらっしゃいます。

大変なお仕事だけど、その分やりがいも大きい職業

言語聴覚士は障害を抱えた方の生活の一部分をサポートする職業です。病気の後遺症や先天性の疾患などでことばや意思疎通に障害があるため、思うように自分を表現できなく、もどかしい気持ちを抱えています。

そのため言語聴覚士を目指したい方には、そのような方の気持ちを受け止めたり寄り添う事ができ理解できる広い心や豊かな人間性が必要です。また国家資格ですので、幅広い知識や高い技術も必要です。そのため高い向上心が必要で、就業してからも養成校でのカリキュラムだけでは足りなかった部分を業務を通じて補っていったり、講習会などに参加して知識の習得やスキルを向上させていくことが常に求められます。

リハビリテーションは一日で大きな変化がある治療ではなく、ある程度の期間施行して、回復具合を前と比較しながら行っていきます。そのため観察力や気づき、忍耐力と根気も必要です。 高い能力を求められますが、患者さんの能力が向上してコミュニケーションが取りやすくなったり、食事ができるようになったりして結果が出ると、その分とても嬉しい気持ちになれます。また患者さんやご家族からありがとうと感謝を示してもらえるとよりやりがいを感じます。

また専門職なので、患者さんやそのご家族、さらには同業者からも頼りにされることが多く、自分にしかできない仕事だと実感できるのではないかと思います。そして何より、人の役に立ちたい、人が大好きという気持ちが大事ではないかと思います。

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